「インフルエンサー」の商品PRに潜む落とし穴 フォロワー数だけしか見ないプロモは逆効果

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つまり、企業がインフルエンサーに期待するのは、拡散力(フォロワー数や投稿コンテンツの視聴回数)とファンへの訴求力(エンゲージメント数やエンゲージメント率)であるべきです。エンゲージメントとはインフルエンサーの投稿に対する「like」や「コメント」を指し、それは決して投稿のビジュアル的なクオリティが重視されるものではなく、企画の面白さやその人らしさなどが結果を左右することになります。

その違いを理解せずにPRをした結果、インフルエンサー・マーケティングでは思ったほど効果が出せていないケースが散見され、「インフルエンサーなんて使うべきでない」という辛辣な意見もしばしば見られます。つまるところ、“不確かなマーケティング手法”というのが凡その評価なのでしょう。

また、定量的な判断がされていないということも大きな問題です。インフルエンサー・マーケティングはユーチューブやインスタグラム、最近ではティックトックといったインターネット上のサービスにひも付いているため、表面的な数値は見えやすく、あたかも定量的な判断がしやすいように感じます。しかし、それが大きな落とし穴となっているのです。

インフルエンサー・マーケティングの“不確かさ”というキャズム(深い溝)をどう越えるのかが今求められており、それに向き合う企業やサービスが必要とされていると感じています。

フォロワー数=広告効果ではない

マーケターにとって重要なことは、費用対効果を最大限に引き上げて施策を成功させることでしょう。そのためには定量評価に基づいたインフルエンサー・マーケティングが必要ですが、残念なことに多くの取引が感覚的に行われているように感じられます。

たとえば、フォロワー数に頼った判断が代表的な事例です。「フォロワー数 = 期待される広告効果」ではありません。なぜなら、「いつフォロワーになったのか」によってエンゲージメントに大きく差が出るからです。にもかかわらず、フォロワー数をベースとした提案や発注判断は多いようです。

ほかにも、「提示されるインフルエンサーの実績が再生数のみ」「企画はインフルエンサーに丸投げ」なども危険です。私の個人的な見解として、拡散力や訴求力の定量評価や各コミュニティごとの特性など、もっと多角的な視野でのプランニングができていないとインフルエンサー・マーケティングは失敗します。

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