グローバルエリートが東欧諸国をご案内 プラハの豚は、デカ過ぎる~ポーランド・ハンガリー・チェコの歩き方

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景気の悪化が著しい、東欧・中欧諸国

景気の沈滞が深刻な東欧諸国だが、道端でホームレスの方の激しいケンカを目にして胸が痛んでしまった。一日かけて手に入れた“恵んでもらったもの”の分け合いのシーンがすぐさま罵り合いに発展したのだが、二人の男性ホームレスが物すごい勢いで一人のおばあさんホームレスを罵っており、おばあさんが手に入れた食べ物などがつまったビニール袋を取り上げ、壁に投げ捨てて、割れたコップがあたりに飛び散らかった。

なんともやるせないシーンだったが、そのおばあさんとおじいさんが、数分後に近所のスーパーで一緒に買い物をしているのを目にして、どうぞ今後も仲良くお元気に、と心の中でお祈りするのであった。

ポーランド・リトアニア共和国 栄光の跡地・クラクフ

どうですか見てくださいこの綺麗な景色。クラクフはポーランド―リトアニア連合がヨーロッパ最大・最強の一角だった時からの大都市で、ワルシャワに遷都するまでこの国の首都だった。第二次世界大戦の時にヒトラーによる爆撃を免れた数少ない都市のひとつであり、その壮麗さは溜息モノである。

以前のコラムでイスタンブールのブルーモスクとアヤソフィアの広場が世界一綺麗、と言っていたのだが、そこに対抗するのが前に紹介したプラハの広場と、このクラクフの旧市街広場だろう。

美しい、クラクフ旧市街の町並み

クラクフは、建物の美しさもさることながら、かなり広大な地域に渡ってこの手の芸術的な建築物が並んでいる。どこの国にも華麗な歴史はあるもので、恥ずかしながら私はここにきて初めて、ポーランドがかつてヨーロッパを代表する大国であったことを学んだ。ただしドイツとロシアという二つの超大国に挟まれ、第二次世界大戦時を含めてよく国土が列強に分割される憂き目に遭ってきたという

冬は寒く、夏はとてつもなく暑い内陸部のポーランドだが、時折ライブジャズフェスティバルが行われており、昼間からどのバーやレストランに入っても地元の音楽隊(普通のおじさん、おばさんがやっているように見えるのがまたイイ)が美声をとどろかせ、ビールを片手にほろ酔い加減の、大きなカメラを抱えた観光客の人だかりが見られる。

ステーキの焼きすぎに、気を付けて!

食に関しては大きなマスを一匹丸ごと上げた地元の名産料理もいいが、ステーキの焼き方はミディアムといってもウェルダンが出てくるので気をつけよう。

ちなみに焼き方でクレームをつけたのに謝ってくれず、おまけに最後に店員さんが“Was everything ok?(食事はいかがでしたか)”と(欧米のレストランでは食事の最後のほうでこう聞いてくるのが慣例)聞いてきたのには失笑した。肉を、焼きすぎや焼きすぎ!!!

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