このような状況が事実であるならば、筆者であれば次のような対応を取ります。
「即刻、塾を辞めさせる」
正確に言えば次のような考えを経ての決断になります。
子どもには大きく分けて2つのパーソナリティーがあると筆者は考えます。1つはセンシティブな子。周囲の人は自分をどのように見ているか、どのように感じているかを気にするタイプです。このようなタイプの子は、自分がどう見られているかを気にするため、人の発言に敏感であり、自分の扱われ方によって、自己肯定感が上がったり下がったりします。ご質問のような発言をされた経験を持つと、非常に深いダメージを受ける可能性があります。
もう1つのタイプは、人の言うことや親の言うことを聞かない頑固なタイプ。このような子は、負けず嫌いであり、多少、ご質問のような状況下でもやっていくことが可能です。しかし、ご質問のような経験を子どもの頃に持つと、「人をさらしものにしたり、叱咤激励と称して罵倒することで人が伸びる」と勘違いして生きていくことになる可能性もあります。
したがって、どのような子どもにとっても、ご質問のような状況が与える影響は深刻であると考えます。
時代錯誤な指導をする塾はすぐに変えるべき
いずれにしても、筆者であれば即、塾を変えさせます。なぜなら、目の前の勉強よりも、子どもの心の状態のほうが大切であると考えているからです。また、筆者は、「合格のためには手段を選ばず、やる気がないのは、子どもの問題」という考えよりも、「やる気を引き出せない授業や指導方法に問題がある」と考えてしまうため、このような結論になります。
子どもの心には、ワクワク感や、充実感、成長感、を与えるべきであって、挫折感、喪失感、劣等感を子どもの段階で教えるべきではないとも考えています。叩いて叩いて育てるという根性論的指導法というのも世の中にはあり、それが正しいと信念を持っている指導者もいることでしょう。それはそれでその方法が正しいと思っている方にとっては是となるでしょうが、筆者は、そのようなあり方を是としません。
ご質問に登場してくる塾は、20世紀型の指導では通用したのかもしれませんが、筆者が見聞きしてきた素晴らしい学校や塾のあり方から判断すると、今やそれは時代錯誤のやり方となっています。
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