受験塾講師の「根性指導」が及ぼす甚大な影響 「こんな簡単な問題も解けないの」とさらし者

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企業でも同様です。筆者は年間70回以上、上場会社の企業研修をお引き受けしますが、そこからわかったことがあります。それは、いわゆる「気合い・根性・努力」型の20世紀企業は、減収減益となっているところが多く、逆に「ワクワク、楽しい、面白い」型の21世紀型企業は伸びているのです。

不信感を持ったままでは好転する可能性は低い

受験はそんな甘いものではないという向きもあります。しかし、それも過去の幻想と思ったほうがいいでしょう。なぜなら、筆者がこれまで直接指導してきた3500人以上の子どもたち、さらには多くの東大生からヒアリングしてわかったことは、学力が優秀な子は、「勉強は苦しみであるというより、楽しい・知りたいという気持ちのほうが圧倒的に強い」のです。そして、それがどこで作られたかというと子ども時代に出会った先生の影響が実は大きいのです。

よく、数学ができないきっかけは学校の先生だったということを聞いたことがありませんか。逆に英語が好きになったのは、学校の先生や塾の先生に英語を楽しく教えてもらったからという経験を持った方もいらっしゃることでしょう。もちろん先生だけがすべてのきっかけではありませんが、先生がきっかけになることは少なくないのです。

今、吉村さんのお子さんが経験したことは、仮に塾がそのようなつもりがなくても、子どもがショックを受けている点、さらに親が塾に不信感を持っている時点で、今後、継続することで好転する可能性は極めて低いと考えていいでしょう。

安易に塾を変えたりすることはよくありませんが、信じてその塾に任せるという親の気持ちと、子どもの先生に対する信頼感がないようであれば、塾を変えるという判断は正しいと思います。これらは、あくまでもいただいた情報に基づく筆者の考えですので、状況を鑑み、適切な判断をしてください。

石田 勝紀 教育デザインラボ代表理事、教育評論家

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いしだ かつのり / Katsunori Ishida

1968年横浜生まれ。20歳で起業し、学習塾を創業。4000人以上の生徒に直接指導。講演会やセミナーを含め、5万人以上を指導。現在は「日本から 勉強が嫌いな子を1人残らずなくしたい」と、Mama Cafe、執筆、講演を精力的に行う。国際経営学修士(MBA)、教育学修士。著書に『子ども手帳』『子どもを叱り続ける人が知らない「5つの原則」』、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』ほか多数。

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