株価2倍!ホテル予約プライスラインの秘密

注目の海外企業【第5回】

事業シフトのポイントとなったのは、2005年のブッキング・ドット・コム社の買収だろう。今日、プライスライングループの事業の中核を担っているブッキング社を1億3500万ドルで買収し子会社とした。ただ、当時、ブッキング社の予約対象ホテルは2万軒にすぎず、取扱高もプライスラインに比べてはるかに小さく、最終赤字が続いていた。

収益の基盤を欧州へ大胆にシフト

プライスラインの欧州進出は成功した。その後の同社の取扱高や手数料収入の急速な伸びは、欧州でのサービス展開によってもたらされている。取扱高は2004年まではほとんどが米国内であったが、その後、欧州での取扱高が大きく伸びた結果、ついに2007年には米国取扱高を上回るに至った。さらにアジアなど新興国でのサービスも加わり、米国外での取扱高の高い伸びは2013年も続いている。

旅行市場の規模の大きさを考えると、米国内に比べて、欧州など米国外のほうがもともと大きかった。だが、欧州ではネット予約は定着していなかった。米国では大手ホテルチェーンの存在感が大きく、彼らが独自にネット予約システムを立ち上げていた。これに対して、欧州ではホテルチェーンといっても小規模なものであり、観光地には個人経営のホテルも少なくないため、多くはウェブサイトの整備が遅れていたのである。したがって、欧州では宿泊可能なホテルを一覧でき、ネット予約ができるサービスが新たに参入する余地が大きかった。

プライスラインでは、企業買収とともに欧州でのホテル予約サービスに展開した結果、同社の予約可能ホテルは2006年の6万軒から2012年には5倍近い29万5000軒へ、実際に予約を扱ったホテルの部屋の宿泊数は1900万泊から10倍以上の1億9800泊へ、そして、取扱高は33億ドルから9倍近い285億ドルへと伸ばすことができた。その結果、プライスラインが受け取った手数料収入は4億ドルから10倍の41億ドルへと増加している。

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