まるで同棲という言葉からもわかるように、寝落ち電話は、相手のいびきが聞こえても、長時間通話して無言になっても、まったく気兼ねしない間柄でないと実行しにくいという面がある。つまり、自然体で付き合っているカップルでなければ難しく、いろいろなカップルがいる中でもハードルはやや高いものなのだ。
この寝落ち電話、TwitterをはじめとするSNSを通して、通話時間の画像とともに投稿されることが多い。自分の周りの友達に、自分たちカップルが寝落ち電話をしていることを見せることで、「こんなにもお互いに自然な姿でいられる、深い関係なんだ」ということを、間接的に自慢したいという面もあるのではないだろうか。
両親同行でデートを楽しむ「彼親デート」
恋人とのデートに自分か相手の親が同行する、または恋人が不在の状態で相手の親と出かける。そんな行動をする若者たちがいる。「彼親(かれおや)デート」と呼ばれることもあり、昨今、SNS上で見かけることが増えている。
彼親デートを行う場所としては、実家から近くて気軽に出かけられる、コストコやアウトレットといった広めのショッピングセンターやモールが多く見られる。中にはディズニーランドや水族館といったテーマパークへ行く人たちもいるようだ。
彼親デートのSNS投稿には特徴がある。多くがインスタグラムへの投稿なのだが、タイムラインでなく、ストーリーズ機能を通して投稿されるのだ。その理由として、「彼親デートはインスタ映えするようなデートではないから」「インスタに彼親デートの様子を投稿してしまったら相手の親に対して失礼だと思うから」といったことが挙げられた。
相手の親と一緒に出かけることを、多くの当事者たちが「インスタ映えするものでもないし、相手の親に迷惑もかけたくない」と思っている。一方で彼親デートは、相手の親と買い物に行くほど親しい関係である証明ともいえる。
そんな「彼親デートをしていること、そんな親密な間柄のカップルであることを、周りの友達にちょっとアピールしたい」という気持ちもあるかもしれない。そんな若者にとって、投稿から24時間で消えるストーリーズ機能は絶好の手段なのだろう。
都内の女子大に通う社交的なAさん。彼女は、彼氏と交際を始めて3カ月で彼親デートをしたという。Aさんいわく、「彼親デートは、相手の親に二人の関係を認められたという満足感を得られる」とのこと。
彼親デートをすることで、相手の親と出かけるほど、自分たちはお互いの関係を長い目で見てもらっている仲だということを実感できるそうだ。そうした意味のある彼親デートを、周りの友達にSNS上などで発信することで、自分たちの交際は親が公認するほど誠実で深い関係なのだと表明しているのだとも言える。みんなにそれとなく知らせたい、つまり間接自慢していると言ってもいいだろう。
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