勝てる個人投資家になる「ただ1つのルール」 株で600万円失っても復活できた理由とは?
ではどうすれば損失を避けられるでしょうか。具体的には、「投資方針書(リスクテイク方針書)」や「リスク管理方法」というものを定めます。
大まかに次のような項目があります。
・投資環境と投資方針
・アセット・アロケーション(資産配分・業種配分・地域配分)
・銘柄選択
・売買執行の方針(利益確定・ロスカットのルール等含む)
・モニタリング方針、リバランスの基準
・投資方針を変更する基準
以上の中から、個人投資家が参考にすべき運用ルールはどれでしょうか。
個人投資家が特に設定しておくべきは、「リスク許容レベルの設定」「アセット・アロケーション」「利益確定・ロスカット(損切り)ルール」「リバランスの基準」の4つではないかと思います。
この中で、最も重要なのは、「利益確定・ロスカットルールの設定」です。個人投資家、特に勝てていない人は、このルールを設定して、淡々と実行することが重要です。
先達が残した「投資の格言」を淡々と実行していく
企業の財務諸表をしっかりと分析し、チャート分析をもとにタイミングを計って投資をしたとしても、買った瞬間に値下がりするのは、「投資あるある」ではないでしょうか。これは本当に辛いものです。そんなとき、自分の下した判断は正しいのだと意固地になって、株価が戻るのを損切りせずに持ち続けている人が多いのではないでしょうか。すると、いつの間にか買値の3分の2、ひどいときは半額、1/3になっているケースも少なくないのです。特に、長期目線で投資をしている人に多い傾向でしょう。
投資の格言に、「見切り千両」というものがあります。含み損を抱えた銘柄に対して、損失の少ないうちに見切りをつけることは、「千両の価値がある」という意味です。初めは自分が正しいと思っていても、思惑が外れたら、すぐに軌道修正しないといけないのです。なぜなら、市場がつねに正しいからです。
でも、「市場がつねに正しい」「見切り千両」だと頭でわかっていても、自分の誤りを素直に認め、感情を抑えて売るのはなかなか難しいものです。「ロスカットはあらかじめルールを決めておき、機械的に実行しましょう」と言われても、わかっちゃいるけど、なかなかできないのではないでしょうか。
そんな方にお勧めするのは、「株価が買い値よりも◎円(あるいは◎%)下がったら売る」という目安を設けて、この損切りを淡々と実行していくことで、「損切り慣れ」することです。
初めは少額の損失でもかなりの痛手を負ったように感じますが、慣れてくると難なく損切りできるだけでなく、「損切りの有用性」を実感できると思います。実際、成功している個人投資家の多くは、こうしたルールを習慣づけています。
私自身は、「株価が10%下がったら売る」というルールを実行しています。例えば2000円の株価で買って1800円になったら、ためらわずに損切りをします。もし2000円の株を100株購入していたら2万円の損失、1000株単位だと20万円もの損です。このように、損失は少なくない金額になります。しかし、この損失惜しさに、「もう少しで値を戻すのでは」と切らずにいたら、20万円の損失がいつの間にか100万円になっていることが実際にあるのです。こうした経験をしている人は少なくないと思います。
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