借金返済は後回し?消費増税が迷走するワケ 増税実施まで1年を切り、数々の問題が噴出

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地方の主張は明快だ。2012年の税と社会保障の一体改革で、国は地方と一緒に今回の消費増税やその使途について決めた。だが教育無償化については、後から国が変更したものであり、国の責任において全額を国費負担すべきだと主張する。

開始まで1年を切っても財源負担の原則が決まっていないのは異例だが、それもこれも安倍政権が一体改革のスキームを壊し、付け焼き刃で教育無償化を決めたことが原因だ。

裏目に出た財務省の戦略

一体改革時には予定になかった軽減税率が導入されたことも同様の構図にある。

現在、与党税制調査会は、軽減税率で穴があく1兆円の代替財源を探している。だがここに挙げられる代替財源は過去に決定したたばこ増税などで、つじつま合わせの感が強い。そもそも軽減税率がなければ、それらは純粋な税収増になったわけで、1兆円の穴はやはり埋まらないと考えるべきだろう。

今回の迷走はどこから始まったのか。安倍首相が2度の消費増税延期を決めた後、財務省上層部では、「安倍首相が消費増税をむげにするのは、オーナーシップ(当事者意識)の感覚がないからだ」という議論が起こった。

そこで、安倍首相が重きを置く教育無償化の財源を消費増税の増収分とする案が、財務省上層部から示されたという。

ただ、結果的に安倍首相の支出拡大欲はむしろとどまるところを知らなくなった。財務省の戦略は裏目に出たというほかない。

野村 明弘 東洋経済 解説部コラムニスト

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のむら あきひろ / Akihiro Nomura

編集局解説部長。日本経済や財政・年金・社会保障、金融政策を中心に担当。業界担当記者としては、通信・ITや自動車、金融などの担当を歴任。経済学や道徳哲学の勉強が好きで、イギリスのケンブリッジ経済学派を中心に古典を読みあさってきた。『週刊東洋経済』編集部時代には「行動経済学」「不確実性の経済学」「ピケティ完全理解」などの特集を執筆した。

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