「週末の寝だめ」でどんどん疲れていくワケ 「社会的ジェットラグ」を知っていますか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

たとえば、せっかく月曜日から金曜日までの平日は規則正しく6時や6時半などある程度決まった時間に起きているのに、土曜日や日曜日にお昼ごろまで寝てしまうと、翌月曜からまた6時や6時半などの早起き生活に戻ることで、海外旅行や海外出張に行った時の時差ボケのような状態になります。これを「社会的ジェットラグ」と呼びます。国内にいながらにして時差ボケ状態になることです。

ちなみにご参考までに、皆さんがいま、どれくらいの時差ボケ状態にあるかを計算してみましょう。「眠りに落ちた時刻」と「朝起きた時刻」の中間時刻を「睡眠中央時刻」といいます。そして平日と週末の睡眠中央時刻の差が「社会的ジェットラグ」の指標になります(ご興味のある方は、ミュンヘンクロノタイプ質問紙のサイトで自動計算することもできます)。

週末の朝寝坊は何時間までなら大丈夫か

たとえば平日夜中の1時に寝て朝6時に起きる場合の睡眠中央値は3.5時です。その人が週末は夜中の3時に寝て午前11時半に起きるとすると中央値は7.5時になり、社会的ジェットラグは7.5-3.5=4時間。ということで、この人の体は週末に時差4時間のモルディブに行き、月曜の朝に日本に戻って出社するのと同じ程度の時差ボケ具合ということになります。

さらに2015年5月の『Journal of Obesity』(肥満ジャーナル)」によると、社会的ジェットラグの時間が長い人ほど、BMI、体脂肪率とメタボ率に高い相関があるとのこと。また社会的ジェットラグの時間が長い人ほど、生活習慣病のリスクが高く、抑うつ症状が強いことが睡眠医療関係者の間で定説になっています。

睡眠不足を解消するために、次の1週間を元気に過ごせなくなってしまったり、生活習慣病などになる確率がアップしたりするのは本意ではないですよね。実は睡眠は足りなければ「ただ寝ればいい」のではなく、ダルくならない、間違った寝方で余計な病気を引き起こさない「コツ」が3つあるのです。

① 朝寝坊は2時間まで

睡眠不足をてっとり早く解消する方法は、やはり週末の朝寝坊です。と、ここまでは前述の「週末の寝だめ派」の方たちと同じですが、朝寝坊は「2時間まで」と決めてください。2時間を超えると、体内時計が狂いやすくなるからです。たとえばいつも会社に行くために6時半に起きている方は、休日は8時半までに起きてください。

金曜日に遅く寝ると、朝起きるのが辛くて週末の寝坊が2時間を超えてしまいそうな方は、金曜日も平日同様早めに寝るなど、自分は8時半に起きるためには逆に何時に寝ればいいのか金曜日の就寝時刻を研究してみてください。

次ページ朝起きたらまずしたいこと
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事