篠原涼子が第一線で走り続けてこられた理由 「まだ自分を女優だと感じられない」と語る
ずっと無我夢中で駆け抜けてきた。20代は代表曲『恋しさと せつなさと 心強さと』が女性ソロ歌手としては史上初のダブルミリオンを突破。その後は歌手から女優へ軸足をスライドさせながら演技力を磨いてきた。そして、30代で魅力が開花。トップ女優としてヒットドラマを連発した。
そんな篠原涼子さんは今、40代を迎え、母として、一人の働く女性として、また新しいステージを切り拓こうとしている。そう感じさせてくれたのが、最新主演映画『人魚の眠る家』だ。
40代を迎えた篠原涼子が今なお“冒険”する理由
本作で篠原さんが演じるのは、2児の母・薫子。最愛の娘が事故で意識不明の重体に。もう再び目を覚ますことはないという悲劇に見舞われる。そんな身をちぎられるような悲しみと絶望の中で、薫子は奇跡を信じ、ある決断をくだす。
「2時間の作品の中でこんなに苛酷な生き様を表現できる役なんて、なかなかない。これは絶対にやらないと損するって、そう思いました」
言葉通り、まさに苛酷な役だ。もしも自分だったら、と安直に想像することさえ難しい。女優としての真価が問われる難役だけに、わざわざそんなハードルの高い方を選ばなくても、と尋ねたら、篠原さんは勢いよく首を横に振って、こう話し始めた。
「せっかくこういうお仕事に携わらせていただいているんだから、私はどんな刺激でもいただきたいんですよ。自分から刺激をもらわないと、人に刺激を与えられないような気がしちゃうのかな。もっといろいろ冒険したいし、もっといろいろ蓄えたいんです」