有利だと思わない学生もいる。それは当たり前だろう。インターンシップ参加者の中で「優秀学生に対して考慮する」企業はほぼ5割。ということは「考慮しない」企業も存在するということだ。
また、「考慮する」企業のインターンシップに参加しても、優秀と判断されなければ優遇されない。
もはやインターンシップは特別なイベントではない。なにしろ学生の8~9割が参加しており、参加は優遇の条件にならない。下記のような感想は至極当たり前である。
「参加しても特に優先的に選考されることもなかったため」(理系・旧帝大クラス)
「実際の業務を知ることができたが、自分が参加したインターンシップはさほど特急切符感のあるものではなかった」(文系・早慶大クラス)
「早期選考に乗れるのは、ほんの一握りだから」(文系・上位私立大)
「インターンシップに参加したのに、書類選考で落とされた企業もあった」(文系・中堅私立大)
インターンシップに参加した企業からのアプローチだが、「早期選考会・面接の案内」と「エントリー受付開始の案内」が5割に達する。続いて「特別セミナーの案内」が3割台、「次のインターンシップの案内」が2割台だ。これらは「引き続き弊社へ応募してくださいね」という企業の意思表示になる。暗に「あなたのことが気に入っている」というサインにもなるだろう。
「リクルーターからのフォロー」「社員紹介」「企業訪問の案内」などの直接のコンタクトもあるが、それらは1割程度にとどまり、「エントリーシートの免除」にいたっては1割未満と少ない。企業のアプローチに、あからさまな勧誘は少なく、抑制が利いているようだ。
参加すれば、志望度が上がる
インターンシップへの参加が、学生にもたらす効果はかなり大きい。文理ともに7割を超える学生が「志望度が上がった」と回答している。8割を超える大学クラスもあり、早慶クラスの理系は85%、上位私大クラスの文系は83%が志望度を上げている。
志望度の向上は前向きな姿勢を示している。インターンシップの本旨は就業体験にあり、働く意欲を高めることにあるのだから、かなり良い結果をもたらしていると評価できそうだ。
昔から「ホンモノのインターンシップは長期間」と考えられてきたが、今回の調査では1日、半日のインターンシップも混じっているはず。しかし、長期インターンシップでなくても、大人と接触し、仕事について話すことは良い影響を与えているようだ。
インターンシップを杓子定規に定義して、「長期でなくてはならない」とする論議は、意味がないように感じる。夏のインターンシップに参加しそびれた学生諸君も、ぜひこれから始まる秋冬のインターンシップに、できるだけ多く参加することをお勧めしたい。
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