ドイツ政府、通信で「中国企業の除外」を検討 5Gインフラ構築巡り
[ベルリン 13日 ロイター] - 複数のドイツ政府高官が、次世代高速通信「5G」のインフラ構築に当たって華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]といった中国企業の除外の検討に向け動いていることが明らかになった。国家の安全保障に関わるとの見方からで、オーストラリアや米国が同様の対応を決定していることも背景にはある。
ただ、ドイツは2019年の早い時期に5G関連の入札を実施する見通しで手続きの最終段階にあり、高官らはこうした中国除外の働きかけがうまくいくかどうかは不透明だとしている。
ドイツの複数の省庁で、次世代通信を巡る中国の関与に対する懸念が高まっていることを示しているが、5Gに関する安全保障面での議論は盛り上がりを欠いているのが実情だ。
中心的に動いているのは米国やオーストラリア政府関係者との関係が強い外務省や内務省で、米豪と懸念を共有しているとみられる。高官の1人によると、5G関連のオークションを始める前にもっと突っ込んだ議論をするよう求めているといい、複数の高官が手続き延期の可能性を示唆した。
野党にも反発の動きが出ており、緑の党は先週、5Gを巡って特定メーカーを除外する法的根拠はないとする政府の姿勢を質す動議を提出した。
中国では、組織や市民は国家の情報収集活動に協力しなければならないと法律で定められている。このことが、華為技術が中国政府に協力し機器に情報を抜き取るための細工をするのではないかとの懸念につながっている。
華為技術の広報担当者は、国家の安全保障への脅威になるとの見方は断じて受け入れられないと反論している。
一方で、華為技術や、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)[ZXXTE.UL]などの中国企業の除外には複雑な事情も絡む。華為技術は世界最先端かつ最も安価な技術を持つ企業の一つだ。欧州勢で代わりを担えるのはエリクソン<ERICb.ST>やノキア<NOKIA.HE>といった企業だが、こうした域内での自前主義をとれば、コストが掛かるのは避けられず、関係者の間には実現性に懐疑的な見方がある。
中国企業の5Gへの参入禁止を決めれば、ドイツの対中関係にも大きな影響を与えるだけに、米豪独の政府関係者には、ドイツの不安定な連立政権が、こうした大きな決断に踏み切れるのかとの見方も出ている。
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