不登校が「過去最多」を更新する日本の実情 学校自体が居づらい空間に?
文科省は2018年10月25日「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」(以下・本調査)の速報値を発表した。2017年度に不登校した小中学生は14万4031人。5年連続で増加し、16年ぶりに過去最多を更新した。
不登校増加の原因は子どもが感じるストレスとも関係
不登校児童生徒の内訳をみると、小学生は3万5032人で過去最多を更新。中学生は10万8999人で過去2番目に多い数字となった。前年度と比べると小中学校で1万348人増加した。
一方で全児童生徒数は982万人で過去最少を更新。子どもに占める不登校の割合は1.5%で過去最多を更新している。不登校が増加している理由について文科省は「複合的な要因が絡み合っているので原因を特定することは難しい」と答えるにとどまっており、分析を続ける予定。
増加の背景について、千葉県習志野市にあるフリースクール「ネモ」理事長の前北海さんは、不登校への認知度の高まりと「子どもが感じるストレスの増加」を挙げた。
不登校に対して保護者や学校の態度が軟化する一方で「授業が複雑化し中学校での規範意識が高まるなど子どもが学校で感じるストレスは増えた。学校自体が居づらい空間になっていることと不登校の増加は関連しているのでは」と話している。
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