殺処分ゼロに必要なのは愛でなくシステムだ 保護猫を救う新事業に密着

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面談が終わり、村上さんのOKが出た。ここには10匹しかいないが、2人はさっそくケージの猫とご対面。

「この子じゃなきゃダメだ」と思える子を

「妥協するのではなく、この子じゃなきゃダメだと思える子を見つけてください。見つからなければ大塚に行ってもいいので」

と村上さんが話しかける。

「この子、可愛い」「そうだね」「あ。こっちも」

何度も目移りしていたが、どうしても同じ猫が気になるらしく、もといた場所に戻ってくる。どうやら、決まりそうだな、と思ったら村上さんに「この子でお願いします」と、夫のAさんが申し出た。

選んだのは、推定月数3か月のキジ白のメス。なかなかの美人さんである。 

晴れて里親になった2人(写真:週刊女性PRIME)

なぜペットショップではなく、保護猫を選んだのか聞いてみると、

「ずっと猫を飼っている両親の教えですかね。殺処分になる子を救いたいと思ったんです」(Aさん)

最後に『愛猫手帳』を受け取り、譲渡費用(医療費、飼育費用など含めて3万7000円~)を支払って、いよいよ引き取りだ。

Aさん、購入したばかりのケージを持ってきて、中に猫を入れてもらう。今日から家族が増えるのだ。2人は幸せそうな笑顔で帰っていった。

山本 葉子(やまもと ようこ)さん/NPO法人『東京キャットガーディアン』代表。東京・大塚に猫カフェスペースを併設した、開放型シェルターを展開している。
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