会社員より自営業が「金銭的にトク」は本当か シビアに見極めたい「お金の損得」
こう見ていくと、自営業者の場合は、経費として使ったものが対象になりますが、会社員の場合は、使っても使わなくても経費としてあらかじめ控除される部分が「給与所得控除」としてあるということです。ですから、会社員でも税金については優遇されている面があるといえるのかもしれません。
ですから、一概に「どちらが有利」と断言するのは難しいと言えます。
それから社会保険。会社員からフリーランス・自営業になる場合、社会保険は、厚生年金保険・健康保険から脱退して、原則として国民年金・国民健康保険に加入することになりますので、将来、受け取る年金額は減ってしまいます。その分はどうするか、考えておいたほうがいいでしょう。具体的には、たとえばiDeCo(個人型確定拠出年金)を活用するなど対策を講じておくのが安心です。
病気のときはどうでしょうか。会社員が加入する健康保険と、自営業者が加入する国民健康保険、いずれも病院に支払う医療費などは3割負担と変わりません。ただし、傷病手当(業務以外の病気やケガで4日以上仕事を休んだ際に支給される)や出産手当金(出産のために仕事を休んだ際に支給される)は、自営業者の場合にはありません。自営の場合、病気などの備えは会社員よりも多めにしておいたほうがよいわけです。
資産のつくり方という面では、自営業者もサラリーマンも基本は同じです。注意すべきは、自営業者は不安定なうえ、退職金がないので、よりキャッシュ(預金・投資信託等含む)が必要ということでしょうか。
自営業者は経費の支払いなどで支出が多くなる分、気が緩みがちなので、強制的に貯蓄ができる積立などを利用するとよいでしょう。
副業は本当におトク?
最近は副業ブームで、サラリーマンをしながら週末起業をする人も増えています。新生銀行の調査(「2017年サラリーマンのお小遣い調査」)によると、
・1カ月あたりの副収入額の平均値……男性4万2041円、女性1万3463円
・副収入の収入源の上位……ポイントサイト・アンケートサイト、アルバイト・副業、株式投資、フリーマーケット
といった結果が出ています。
しかし、私個人の考えで言いますと、本音ではあまりおすすめしません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら