11月の日経平均が再び上昇すると考える理由

株式相場はまだ終わったわけではない

中盤戦まで終わった企業決算の出方も予想外に低調で、日経平均予想EPSも10月3日に記録した史上最高の約1748円から10月26日の1712円まで「じり貧」になっていた。しかし、10月末から11月初めにかけ大量に決算が発表される中で、先週末は1748.72円と、僅かだが史上最高を更新した。

また、日足で見ると厳しい先行きも、月足で見ると景色が違う。日経平均の月足は、10月に大陰線を入れたとは言え、相場が崩れたとは言えず、上昇する24カ月移動平均にちょうどタッチしただけに過ぎない。そのタッチした月間安値が、前述の2万0971円であり、この時多くの投資家は、2016年の再来を危惧しただろう。月足チャートは、2015年高値を付けた後、その年末に24カ月移動平均を割れ、2016年いっぱい苦労したことを思い出したからだ。しかし、だ。元々2016年相場に陥る要素は何もなかったのだ。

岡三証券のレポートにもある通りだが、日経製造業PMI(購買担当者景気指数、2016年48、現在は53)、ドル円相場(2016年1ドル=102円、現在113円)、原油価格(2016年1バレル=30ドル、現在63ドル)、日経平均予想EPS(2016年1110円、現在1748円)、日銀ETF買入れ額(2016年3兆円、現在6兆円)等、どれをとっても2016年と現在では大きな違いがある。

10月の波乱は「11月相場の上昇エンジン」に

繰り返すが、とにかく10月は大きく下げた。ヘッジファンド業界にとっても受難の10月だったようだ。モルガン・スタンレー証券のデータによると、株式の買い持ちないし売り持ちのファンドの平均リターンは5.39%のマイナスである。本来、波乱相場に強いと思われるロング・ショートファンドも5.72%と逆にマイナス幅が大きい。売りと買いを組み合わせて合理的に動くヘッジファンドですら、いかにAIアルゴリズムに振り回されたかが分かる。

そのせいか、日本でも30兆円の投資残高を誇る資産運用会社・ブラックロックのラリー・フィンクCEO(最高経営責任者)が「米中貿易戦争に強い警鐘を鳴らした」との報道もあった。今は「ダメージを受けたヘッジファンドは、顧客からの解約を受けるので11月も動けない」とも言われている。

しかし、筆者は逆に、10月に売り込まれたエネルギーで、11月相場は高いと考える。というのも、11月は過去28年間の月足陽線率が64.3%で、12カ月中第1位。外国人投資家の買越率は71.4%にのぼる。特に2012年からの11月はすべて月足が陽線だ。外国人投資家は買い越しとなっている。

決算の出方も確かに当初は低調であり、市場の反応にも迷いがあったかもしれない。だが全体の落ち着きと共に、ソニーやアドバンテストなど、強く切り返す銘柄も出てきた。結果、先週末の日経平均予想EPSの史上最高値更新だ。決算発表は今週から後半に入るが、112円~113円で安定する為替を考えると、十分に期待出来る。ただし、米中覇権戦争は始まったばかりだ。緊張と緩和を繰り返しながら長期間続く。前から言っている通り、「上げに浮かれず、下げを恐れず」のスタンスをキープしたい。

6日に行われるアメリカの中間選挙については「上院共和党、下院民主党」が株式市場にはほぼ織り込まれたと言えそうだ。違う結果が出た時のみ材料となる。今週の日経平均予想レンジは2万1900円~2万2700円とする。

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