日経平均3万円・上昇終了、どっちが正しい? 今は「上げに浮かれず」「下げを恐れず」の局面

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日経平均は「3万円」の方向に行くのか、それとも「上昇終了」なのか。多くの人は「モミ合い」を予想するが、筆者はこの人に注目する(撮影:尾形文繁)

日経平均株価は5月以降、5度目にして2万3000円を抜き、一気に2万4000円台に躍り出た。さらに1月23日の高値2万4129円を抜いたことで27年ぶりの高値圏に入っている(5日の終値は2万3783円)。

「上げに浮かれず、下げを恐れず」の意味とは?

今、投資家の意見は少し単純化すれば強気と弱気の2つに割れている。「3万円」説と「ここで天井」説だ。もっともコンセンサス(市場の平均的な予測)は「2万3000円~2万5000円」でのモミ合いではあるのだが・・・。

意見が分かれているのは、アメリカの株式相場でも同様だ。アメリカの気迷いは、金利上昇への迷いだ。金利上昇は、短期的には株価にマイナスだが、中長期的には景気好調を意味し株にプラスとなる。5日続伸して先週は2日連続で史上最高値を更新したニューヨークダウ(工業株30種平均株価)は、金利上昇を嫌がる動きを見せている。金利に敏感なナスダックに至っては8月末に史上最高値を付けた後、調整に入っている。

前回の「『実質青天井相場』で勝つ『3つのポイント』」でも少し振れたが、27年ぶりの高値は、多くの投資家にとって「未知との遭遇」だ。明確な上値の目標地点がないと、投資家は自身の立ち位置が分からなくなる。青天井でどこまでも上がる気もするが、今が高値かもしれないと不安にもなる。そこに拍車をかけるのが貿易摩擦に名を借りた米中覇権争いだ。アリババのジャック・マー会長などは、この争いは「20年戦争」だと読み解いている。どういう世界になるか、こちらも「未知の世界」になる。

しかし、別の見方をすれば「神経質に明日の心配をしても仕方がない」となるのではないか。さらにこの争いは、ただ資源を消耗するだけのリアルな戦争と違う。両国とも有利に戦うため、国民に対して景気後退にならぬよう、強力な内需喚起策を取ることになる。すでにさまざまな策は実行されているが、7日にも中国人民銀行が今年3回目の預金準備率引き下げ実行を発表した(実施は15日から)。不透明な中では下がると不安になるが、勝つ投資家の心構えは「上げに浮かれず、下げを恐れず」だ。

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