米第3四半期GDPは3.5%増、予想を上回る 個人消費は4.0%増、設備投資は振るわず
[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した第3・四半期国内総生産(GDP)の速報値は、年率換算で前期比3.5%増と、市場予想の3.3%増を上回った。輸入関税の導入に伴い大豆輸出が減少したものの、個人消費が4年近くぶりの大幅な伸びとなったほか、在庫投資も大幅に増えた。
第2・四半期GDPは4.2%増だった。第3・四半期は前期から減速したものの、エコノミストが試算する潜在成長率である2%を超えた。
第3・四半期の前年同期比は3.0%増と、2015年第2四半期以来の大幅な伸びだった。トランプ政権が掲げる今年の成長率目標である3.0%増を達成できる見込みだ。
米経済成長は9年連続で続いており、これまでで2番目に長い景気拡大局面となっている。
経済はトランプ政権の1兆5000億ドル規模の減税政策が下支え要因となっているものの、中国との貿易紛争やその他の貿易相手国と摩擦がリスクとなっている。第3四半期に経済が減速した理由は主に、大豆などの米製品に中国が報復関税を課したこととみられる。
米農家は、7月上旬に中国による輸入制限が発効する前に対中国輸出を前倒しし、第2四半期GDPを押し上げた。それ以降、大豆輸出は毎月減っており、貿易赤字が拡大している。第3四半期は石油のほか、自動車以外の資本財の輸出も減少した。一方で底堅い国内需要に伴い、消費財や自動車などの輸入が増えた。
貿易赤字はGDPを1.78%ポイント押し下げる方向に働いた。押し下げ幅としては1985年第2四半期以来で最大。第2四半期は1.22%ポイント押し上げる方向に働いていた。
在庫は763億ドル増加した。第2四半期は368億ドル減少していた。結果として、第3四半期は在庫投資はGDPを2.07%ポイント押し上げる方向に働いた。15年第1・四半期以来の大幅な押し上げ幅だ。前期はGDPを1.1%ポイント押し下げていた。
貿易と在庫を除くGDPは3.1%増だった。第2四半期は4.0%増加していた。
米経済の3分の2以上を占める個人消費は4.0%増と、14年第4四半期以来の大幅な伸びとなった。前期は3.8%増だった。
こうした中、設備投資は振るわなかった。住宅投資が3四半期連続で落ち込んでおり、米経済の逆風が強まっている。金利の上昇が住宅市場の圧力となっているほか、適切な人材が見つからない状況と輸入関税の影響で製造業企業にとって費用負担が増えている。
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