日本で年収300万超の外国人が大量に働く日

臨時国会に上がらない重要な議論がまだある

外国人の単純労働者については、国内労働市場との需給調整を行い、日本社会との軋轢を防ぐために、公正で客観的な指標に基づく受入規制を導入すべきである。

具体的には、クオータ(総量規制、職種別規制、地域別規制による受入人数枠の割り当て)の範囲内であること、職種別・地域別の有効求人倍率が一定値以上であること、外国人雇用上限率(受入企業の従業員数規模などに応じた受入人数枠)の制限範囲内であること、などを要件とするべきである。

上の表で明らかなとおり、少なくとも単純労働者については、自国民雇用優先原則を明示し、労働市場テストの実施に加えて、客観的な指標に基づく受入規制を行うのが世界の移民政策の「常識」であり、鉄則である。

公正な指標を用いて人権保障につなげる

労働市場テストとは、企業が外国人労働者を雇用したい場合、一定期間求人をしてみてなお自国民を採用できない場合に限り、外国人労働者の雇用を認める制度をいう。入管法改正に関して政府は、分野ごとに受け入れが必要な規模の見込みと国内での人材確保を尽くしたと判断する基準を法案成立後に示すことを検討しているようである。しかし、自国民雇用優先原則を明示するかどうか、具体的にどのような指標に基づく受入規制を行うかいずれも明らかでない。

また、日本への入国や在留継続を認めるかどうかに関して、その時々の政府の恣意的な裁量によるのではなく、公正で客観的な指標によるとしたほうが、外国人の人権保障につながる。なぜなら、入国や在留継続に関して、予想外の不許可処分を受けるといった不意打ちを防ぐことができるからだ。

外国人を日本に受け入れた以上は、性質上可能な限り人権保障を徹底しなければならないのは当然である。不意打ちの不許可処分は、外国人の人生設計にとって深刻な影響を与えてしまう。さらに、公正で客観的な指標によることは、外国人を雇用したい企業にとっても、事業活動にとって必要不可欠な予測可能性を担保できるメリットがある。

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