日本で年収300万超の外国人が大量に働く日 臨時国会に上がらない重要な議論がまだある

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現在の「告示改正」の政府案では、単純就労(専門性のない現業業務)も排除されていない。さらに言えば、日本語をよく使う風俗営業(キャバクラやクラブのホステスなど)も排除されていない。一定レベルの日本語能力試験の合格などを要件とするかどうかも明らかでない。

これまで、外国人留学生が卒業後に日本の企業に就職して、就労資格(技術・人文知識・国際業務)を得るためには、①従事する業務が単純就労でなく、一定程度以上の専門性があること、②従事する業務と学校での専攻内容との間に関連性があることの2つの要件が必要だった。告示改正により「特定活動」の就労資格を与える政府案は、この2つの要件のいずれも求めない。

専門学校の卒業者も就労緩和

今回の告示改正案は、外国人留学生の就労資格の取得に関し、「単純就労でなく、学校での専攻内容と関連性がある」という長らく堅持してきた法令上の一線を踏み超えるものであり、「特定技能」を新設する入管法改正に並んで、歴史的な政策転換である。

単純就労も対象とするならば、国会の議決を必要とする法律改正によらず、法務大臣による告示改正だけで行える範囲を超えているという意見もあるだろう。

さらに政府は、日本の専門学校卒業者についても、来年4月から大幅な就労緩和を行う予定である。アニメーション、ゲーム、漫画、日本料理などの「クールジャパン分野」に就職する場合には、現業的要素(単純就労的要素)が強くても、「特定活動」の就労資格を認める「告示改正」を行う。作品の設計など高度な業務でなく、背景の色塗りなど補助的な仕事でも就労が認められるようになる。

国税庁の2017年の民間給与実態統計調査によると、勤続1年~4年の日本人の平均給与は312万円(男性に限れば381万円)である。告示改正における「年収300万円以上」という要件は、これを下回る水準であり、従事する職種も問わないわけであるから、今後は、単純就労(現業的職務)を含め、一般的な日本人労働者と日本の大学を卒業した外国人労働者が労働市場において全面的に競合することになる。

しかし、現行の入管法は、自国民雇用優先の原則(厳密には、外国人永住者や定住者を含む国内労働市場を優先することを意味する)は明示されておらず、外国人労働者の受入人数規制も存在しない。

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