レクサス新型「ES」が背負った2つの重大使命 歴史ある主力車種が「ミラーレス」で凱旋帰国

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後退時に表示される画像のデモ。リバース操作と連動する(写真:トヨタ自動車)

通常時の運転でもウインカー作動時は画角が自動で広がり、死角を減少させるほか、後退するときも、リバース操作と連動して表示が自動的に拡大されて後方視界を確保できる。運転者が操作して表示範囲を広げることも可能だ。

ミラーレスといっても、従来のミラーの場所には代わりにカメラが物体として残るが、光学ミラーよりもスリムなデザインで小型のため、斜め前方の視界を確保しやすく、さらに風切り音の減少による静粛性も高まるなど利点は多い。

7代目にして国内初投入のES

今回最新のミラーレス車を導入するレクサスESは、これまで海外専用車のため国内で販売するのは初めてだ。ESは1989年に北米のレクサスブランド立ち上げ当初から旗艦車種「レクサスLS」とともにラインナップされた歴史のあるブランドだ。今回の新型車は7代目にあたり、海外では「RX」などと並び、レクサスの量販車種の一角を占めている主力車種だ。

日本ではかつてトヨタブランドの「ウィンダム」として2006年まで販売しており、今回レクサスブランドとして母国・日本に凱旋帰国する形だ。

新型ESのインストルメントパネル(インパネ)周り(撮影:大澤誠)

新型車は2.5リットル直列4気筒のエンジンを併用する新型ハイブリッドシステムを搭載。税込み価格は580万~698万円。今回のミラーレス車は最上級の「バージョンL」(698万円)のみで、さらにオプション設定価格が21万6000円するため、全体では700万円を超える。

トヨタはレクサスに最新技術を投入して、それをトヨタなど量産車にも落とし込み、普及させていくケースが多い。すでにバックミラーではミラーレス車を複数展開しているが、サイドミラーのミラーレス車は今回が初めてだ。ミラーレス車は国土交通省が2016年6月に道路運送車両法の保安基準の一部を改正し、国内でも製造が解禁されたことが背景にある。

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