豊田章男と孫正義。株式時価総額1位と2位の、日本を代表する異業種の巨人トップ同士が歴史的な握手を交わした。
トヨタ自動車とソフトバンクは10月4日、自動運転技術など新しいモビリティサービスで提携すると発表した。両社で新会社「モネ テクノロジーズ」を設立し、2018年度中に事業を開始する。将来は配車サービスなどを手掛ける方針で、トヨタが今年1月に米国の家電見本市で発表したモビリティサービス専用の次世代車「イーパレット」の活用も目指す。
未来のモビリティへの布石
都内のホテルで同日会見したソフトバンクグループの孫会長兼社長は「モビリティで世界一のトヨタと、AI(人工知能)のソフトバンクが新しく進化したモビリティを生む」と断言したうえで、「これは第1弾。今後は第2弾、第3弾のより深い提携が進むことを願っている」と話した。
これに対して、トヨタの豊田社長は「ソフトバンクの強みは未来の種を見抜く先見性、目利きの力にある。一方、トヨタの強みはトヨタ生産方式に基づく現場の力にある。両社の提携で、まだ見ぬ未来のモビリティ社会を現実のものにするための提携だ」と強調した。
新会社の社長はソフトバンクの宮川潤一副社長兼CTOが就任。資本金は20億円で将来は100億円まで増資を予定する。株主構成はソフトバンクが50.25%、トヨタが49.75%。新しいサービスは、移動コンビニや移動オフィス、フードデリバリーなど企業向けサービスやデータ解析サービスなどを想定しているという。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら