金融特化メディアの「ZUU」が狙っていること 冨田和成代表取締役ロングインタビュー
冨田:金融業界で働く人向けのプロフェッショナルプランと一般の個人向け有料会員プランでは、まったく異なる方針で考えています。
まずプロ向けでは、教育支援や営業支援といったサービスまで含めた有料化を図っています。そして、個人の有料会員については基本的に思想を購入していただくことからスタートすると思っています。たとえば、ライザップに通えばちゃんと痩せられるということは多くの人が納得していることでしょう。
金融の分野においても、「この方法なら着実に資産を形成できる」とか、「お金に関して正しい考え方が身につく」とかいったものが存在しています。そういったノウハウを提供し続けることができれば、対価を支払うに値すると多くの人が考えてくれるようになると私は思っています。
村上:なるほど。無料会員ではそこまで具体的なソリューションは得られず、有料会員になればより詳細なことがわかるコンテンツが見られるようになるということですね。ただ、いったん有料会員になって一通りコンテンツを読み切ってしまったら、さらに継続してもらうように引き留めるのはなかなか難しい気もしますが、いかがでしょうか?
冨田:いえいえ。継続的に新たなコンテンツを提供し続けられるので、読み切ってしまえば終わりというものではありません。たとえば、カーシェアリングでマイカーをどう有効活用するかというテーマでも無数のコンテンツを展開できますし、毎年のように税制も変わるので、その度にお金の管理もカスタマイズする必要が生じ、そういった情報を求めるニーズも出てきます。また、一部の有料会員に対して、お金に関するスクールを開催する事業にも着手しています。
上場企業というステータスはビジネスにとって有益
村上:株式市場への新規上場に関しては、なぜ2018年6月というタイミングだったのでしょうか? やはり、金融の分野に携わっている会社だからこそ、相場環境が比較的良好である今というタイミングを選んだということでしょうか?
冨田:一番の理由は、金融機関との関係ですね。地方銀行のような地域密着型金融機関にもお付き合いが広がり始めており、私たちについて信頼していただくうえでも上場企業であることは非常に重要です。もちろん、急激に伸びている時期だからもう少しタイミングを遅らせて、それなりの時価総額で上場するという発想もあるでしょう。
しかし、それよりも上場企業というステータスを早く獲得することのほうが当社のビジネスにとって有益だと私は考えました。マーケットに出てから新たな戦略を発表していっそうの成長を図り、それに伴って業績も伸びていけば、おのずと株価にも反映されて時価総額も拡大していくはずです。
村上:なるほど。紙の資料を見て理解していたつもりになっていましたが、こうしてお目にかかって実際に話をうかがい、御社のビジネスの中身と本当に狙っていることがよく理解できました。本日はありがとうございました。
(ライター:大西洋平)
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