喫煙者の子が最も危ない!「3次喫煙」の恐怖

子どもの前での喫煙は虐待に等しい

たぶん、最も深刻なリスクにさらされているのはぜんそくぎみの子どもだろう。発作の回数が多いうえに発作そのものも重くなる傾向にあり、救急医療のお世話になったり入院することも多いという。私のおいも何度も生命の危険を伴うぜんそくの発作で病院に搬送されたが、母親はたばこをやめなかった。子どものそばで吸うこともあった。

これまでに挙げたのはあくまでも短期的なリスクだ。受動喫煙が子どもに与える長期的なリスクとしては、肺の発達不全や、子ども自身が喫煙者になりやすい傾向が考えられる。たとえたばこを吸わなかったとしても、心臓病や肺がん、白内障、リューマチ性関節炎を発症するリスクがほかの人より高くなる。

2次喫煙より被害をもたらす可能性も

賢明な親であるならば、喫煙が許されているいかなる場所にも子どもを近づけないよう努めるべきだ。たとえそのときその場でたばこを吸う人がいなかったとしてもだ。理由は、そうした環境中にはニコチンを初めとするたばこに含まれる有害物質が煙が消えた後も長く残っており、そうした3次喫煙による健康被害への懸念が高まっているからだ。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)が発行する『タバコ・コントロール』誌で先頃、シンシナティ大学の研究チームが発表した論文にはこう書かれている。「私たちの発見からは、周囲の誰もたばこを吸っていないときでも、(それ以前に吸った)たばこの煙の有害物質が子どもの手についてしまうことがうかがえる」

研究チームは副流煙の残存物が「ほこりや物体、家庭内のもののさまざまな表面、喫煙者の皮膚や衣類に蓄積している」ことを挙げるとともに、環境中に残存したたばこの有毒物質は子どもの手から口、体内へと容易に入り込んでしまうと指摘している。3次喫煙によって子ども、特に乳幼児が抱えることになる合併症リスクは大人よりも深刻だ。理由は、屋内でたばこの有毒物質で汚染されたものに囲まれて過ごす時間が長いからだ。

研究チームは父母もしくはそのいずれかが喫煙している25人の幼児について、手に高レベルのニコチンがついている証拠を発見した。これらの子どもたちはたばこの煙の残存物にさらされたことと関係が疑われる病気で病院に担ぎ込まれた経験があった。生活し遊ぶ場所で3次喫煙の有毒物質や周囲の喫煙者からの副流煙にさらされ、子どもたちにとってはダブルパンチだ。

さらに研究チームは、3次喫煙が2次喫煙よりも健康に害をもたらす可能性を指摘した。3次喫煙には「副流煙では見つかっていない新たな汚染物質」が含まれているうえ、「(汚染物質と接触する)いくつものルートがあり、汚染物質にさらされている時間もずっと長い」からだ。

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