喫煙者の子が最も危ない!「3次喫煙」の恐怖

子どもの前での喫煙は虐待に等しい

子どもに深刻な健康被害を与えかねない「3次喫煙」とは(イラスト:Gracia Lam/The New York Times)

大人であれば、他人のたばこの煙を吸わずにすませるための選択肢はいろいろとある。私の場合で言えば、自宅や自家用車は禁煙と定めているし、そもそも友人や近い親族の中に喫煙者はいない。町中で喫煙者に出会った場合も、そばを通りたくなければ道の反対側に渡ればいい。外食の際はオープンカフェのような席は避けて屋内の席を選び、店やオフィスビルの外でたばこを吸っている人のそばを通るときは息を止めている。

だが子どもの場合、親などの親族、ベビーシッターや保育施設のスタッフ、スクールバスの乗務員や教師といった身近な存在がたばこを吸っていたら、自分ではどうしようもない。

家具や衣服などについた有害物質

たとえ子どものいる前ではたばこに火を付けなかったとしても、喫煙者と接触のある子どもたちは「3次喫煙」という形で家具や衣服、皮膚などに残った有害物質にさらされている。たばこを吸わない人であれば、手を伸ばせば届く範囲に喫煙者がいればたばこの臭いに気づくはず。そんな人に大事な赤ちゃんを抱かせたいと思うだろうか?

たばこを吸うのはアメリカの成人の4人に1人にすぎないというのに、継続的に2次喫煙とも言われる受動喫煙、または3次喫煙を余儀なくされている子どもは全体の半数に上る。専門家によれば、そうした子どもたちの多くは現在から将来にわたって健康被害を受け続けることになる。

受動喫煙の害は科学的に証明されている。アメリカ小児科学会(AAP)によれば、受動喫煙が原因の肺がんで死亡する非喫煙者の数は年に約3000人、心臓病では数万人に上る。

たばこを燃焼させることで出る煙には約4000種の化学物質が含まれているが、その中には有害なものも多く、うち50種には発がん性があることが知られている。喫煙者とともに暮らす赤ちゃんは乳幼児突然死症候群(SIDS)になるリスクが高い。私も生後7カ月の赤ちゃんがSIDSで死亡した例を知っているが、この場合も母親の喫煙が原因だったとされている。

AAPの報告によれば、受動喫煙をしている子どもは耳の感染症や咳や風邪、気管支炎や肺炎、虫歯になりやすいという。また、喘鳴や鼻づまり、頭痛、咽喉炎、目の炎症や声がれを起こしやすく、呼吸器感染症を起こすとなかなか治らない傾向があるという。学校を欠席したりスポーツの試合に出られなかったり、友達との楽しいイベントを逃すことも多いとされる。

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