喫煙者の子が最も危ない!「3次喫煙」の恐怖 子どもの前での喫煙は虐待に等しい

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AAPの学術誌『小児医学』では、7389人の非喫煙者の青年を対象にしたシンシナティ大学の別の研究が発表されている。これによれば喫煙者と同居していて自宅で3次喫煙にさらされている人は、息切れを起こしやすく運動をつらく感じる傾向が強かったという。調査対象者にぜんそくの既往はなかったが、健康状態が非常にいいと答えた人は比較的少なかった。また、学校を病気で休んだり、救急医療を利用したり予約なしで医者にかかる割合も高かった。

「(3次喫煙に)さらされている子どもや青年が救急医療を受ける率は最大で(そうでない人々の)3.5倍だ」と、論文の主著者であるアシュリー・メリアノスは書いている。

喫煙は子どもに身体的被害を及ぼす

もちろん、最も深刻なのは両親が子どもたちの前でも喫煙しているようなケースがもたらすリスクだ。ノースカロライナ大学チャペルヒル校医学大学院の家庭医療学のスペシャリストであるアダム・ゴールドスタイン医師に言わせれば、これは児童虐待に等しい。

「社会は未成年者がアスベストやヒ素やアルコールや鉛にさらされることには神経を尖らせるくせに、たばこの煙にさらされることはまるで別問題であるかのような対応だ」と彼は言う。「(たばこの煙は)子どもたちの健康に有害だ。量が多ければ多いほど害になる。どこまでなら安全ということもない」

家庭医療学紀要の論説でゴールドスタインは、5歳と7歳の子どものいる親に対し、3年にわたって少なくとも10回も禁煙を勧めたという経験を語っている。「子どもたちは耳の感染症や咳、気管支炎やぜんそくで繰り返し受診していたからだ」

あるときなど、下の子が肺炎を起こして人工呼吸器が必要なほど悪化したにもかかわらず「両親は禁煙や禁煙のための医薬品、たばこの煙に子どもたちをさらさないための対策についてもわれわれと話し合おうとはしなかった」という。

後で思えば、児童虐待が疑われると福祉当局に連絡すべきだったと彼は述べている。親の喫煙が子どもに身体的な危害を及ぼしていたからだ。

(執筆:Jane E. Brody記者、翻訳:村井裕美)
(c) 2018 New York Times News Service

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