日本で75万台突破、「レイコップ」人気の秘密 李誠晋社長に人気クリーナーのブランド戦略を聞く

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――パイオニアゆえに、伝えていく責任を感じている、と。

多くの人から、売り上げ目標や販売台数目標を聞かれます。もちろん社長の立場として大事なことですが、正直、私は製品を使ってもらい、生活に役立って満足を感じてほしい。そのうえでレイコップは信頼できる製品と思われるのが大切だと考えています。

――レイコップの製品開発サイクルは?

状況によって違います。年に5モデルを出すことが目標ではなく、われわれの究極的な価値は健康をプレゼントすることです。そこにたどり着くまでの段階として、最初はハウスダストの除去、快適できれいな布団、健康的で快適な睡眠を実現するために、もっと満足できる製品を開発する必要があります。難しいのは、世の中にない製品を作るため、すべてをクリエイティブしないといけないことです。だから最初のモデルは、開発に時間がかかりました。

究極的な価値は健康な暮らしを作ること

――日本市場では定期的に新製品を投入しなければ価格が下落します。

値段を上げることは目標ではありません。消費者が納得して、満足できる価格が目標です。われわれは価格のコントロールはできないんですよ。消費者のニーズに合った価値を提供できれば、価格を維持できるのではないかと思っています。レイコップの価値は快適な睡眠ですが、究極的な価値は健康な暮らしを作ることです。

――レイコップ以外の製品開発も考えていますか?

ブランドの哲学は、健康的な暮らしを作り出すことです。今は布団クリーナーのパイオニアとしてレイコップに集中する、その方向を目指します。

――さらに進化できる余地はあるのですか。

努力します。付加機能によるマイナーチェンジはやりません。新しいコンセプトで、革新的なものを可能にする新モデルを出すという考え方で開発をしています。最近のデジタル製品は変化が速いですが、技術は発展しても中身に大きな変更点はない。でもレイコップでは、オンリーワンの価値を維持したい。消費者から、値段を上げるために新モデルを出したと思われるようなことはしたくありません。

(撮影:ヒダキトモコ)

前田 佳子 東洋経済 記者

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まえだ よしこ / Yoshiko Maeda

会社四季報センター記者

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