日本で75万台突破、「レイコップ」人気の秘密 李誠晋社長に人気クリーナーのブランド戦略を聞く
――日本での販売に苦労した点は?
たくさんあります。製品には自信があったので、最初から量販店の目立つ場所に売り場を作りたかった。でも取り扱ってもらうことに苦労したし、時間もかかりました。もともと日本には布団クリーナーという製品がなかったから、この製品をどう使うのか、どう効果があるのかを伝えるまでに時間がかかりました。
テレビ通販の「ジャパネットたかた」にも助けてもらいました。レイコップを大体的に取り上げていただき、製品の使い方を見せながら説明するため消費者の理解が早かった。昨年10月に髙田明社長が本格的に販売をスタートしてからテレビに露出する機会が増えて、販売が伸びてきました。日本では去年の年末から爆発的に売れはじめましたね。広告予算を効果的に使う必要があったため、まずは子持ちのママに集中すると口コミが広がっていきました。
アトピー患者を何とかしたかった
――購入者も主婦層ですか。
最初に私が開発を決めたきっかけは、小児科のアトピー患者を何とかしたいという思いからでした。その人たちを見ながら製品化したので、確かにベネフィットを感じてもらうターゲットは子持ちのママでした。
今はもっと広がっています。日本では天日干しが体力的にも難しいからと、シニア層に好かれています。PM2.5など環境問題を気にする人もいるし、火山のひどい所では窓を開けることができないのでレイコップが必要です。最近は築年数の経った旅館でも、ハウスダストを気にして興味を持っていただいています。高層マンションでは天日干しできない場合もあるし、環境や住居の状況でニーズはさまざまです。
――日本での売り方で、変更点はありますか。
基本的にはありません。レイコップは私の哲学を入れた製品です。アレルギー疾患の一番の原因は、目に見えないハウスダストとダニ。製品コンセプトは安眠や快眠を提供して健康に役立つことであり、これは全世界で共通するメッセージです。
部分的に変更した点は、伝え方ですね。米国市場では、布団だけでなくソファやカーペットにもダニが生きていることを伝えた上で、製品カテゴリを「アンチアレルギークリーナー」にしています。一方、日本では布団クリーナーに変更することで、より製品コンセプトをわかりやすくしています。多くの日本のユーザーはハウスダウトは認識しているが、アレルギーの原因となることを知らない人が多い。さらにハウスダストが原因で、布団にダニが発生していることも認識していませんでした。日本には布団を干す習慣がありますが、これ自体はハウスダウトの除去に役に立つけれど十分ではない。こうした正確な情報を伝えることに集中しました。
機能面は世界と日本市場とで、まったく変えていません。
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