CEATEC出展に3メガバンクが本気になるワケ

情報銀行に仮想通貨、見本市に異端児が参入

三井住友フィナンシャルグループ(FG)は、計27のテーマを展示。口座の入出金情報からAI(人工知能)で融資先企業の業況を判断する「AI業況検知」のほか、指紋や声、顔の生体認証をオンラインで提供する「Polarify(ポラリファイ)」などを紹介している。AI業況検知を使えば、従来よりも3~15カ月前に企業の業況変化を察知できるという。

三井住友フィナンシャルグループの農業ロボット・DONKEY(記者撮影)

同グループのSMBC日興証券は、AIによる株価トレンド見守りやAIポートフォリオ診断の取り組みを展示している。投資信託で用いられるロボアドバイザーはすでに存在するが、個別株を対象にしたポートフォリオ診断は本邦初だ。ブースには投資シミュレーションのゲームを展示。AIの投資判断力を体験できる。担当者は「AIの活用で投資に親しみのない人のハードルを下げて、裾野を広げていければ」と語る。

三井住友FGは、会場全体に6台のチャットボットを設置。各社のブースの位置などを検索できる。IT展示会ながら、銀行が運営の一助を担っている点がユニークだ。

メガバンクがCEATECに注力する理由

一方、みずほフィナンシャルグループは、子会社のみずほ情報総研が出展した。金融に関わる展示は株価チャート予測のみで、AI個人秘書や顔画像シミュレーションなど、AI技術を用いた開発事例が多く、他のメガ2社とは少々異なる展開をしている。

では、ITの展示会にメガバンクがなぜここまで力を入れるのだろうか。それは銀行業界を取り巻く環境変化と無関係ではない。

銀行にとって今、もっとも大きな問題は、本業の利益が圧迫されていることだ。日本銀行による異次元緩和政策が長期化し、融資・運用と資金調達の差である「利ざや」が縮小している。カネ余りが続く中で、貸出先や運用先も少ない。儲からない以上、銀行各社は業務を効率し、コスト構造を改善する必要に迫られている。

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