CEATEC出展に3メガバンクが本気になるワケ 情報銀行に仮想通貨、見本市に異端児が参入

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その解決策の一つがフィンテックだ。AIやITを活用することにより、人が行っていた業務をデジタル化する構想を各社とも描いている。裏返すと、メガバンク各社が計画している大規模な人員削減は、こうした業務効率化が進まないと、実現できないとも言える。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、車にATMを搭載した新サービスを開発(記者撮影)

無料対話アプリを運営するLINE、携帯電話最大手のNTTドコモが決済や融資審査に参入するなど、異業種が金融ビジネスに熱視線を送っている。アマゾンなどITジャイアントの銀行業参入も噂される中、競争を勝ち抜くために、業務のIT化は必須だ。

銀行に求められる新機能

三井住友FG・ITイノベーション推進部の中山知章部長は、CEATEC参加の理由について、「銀行員だけではアイデアの幅が広がらない。(来場客の)ニーズを知ることで、必要とされるサービスを作ることができる」と語る。

時代が急速に変わりつつある中、銀行に求められる役割も大きく変化しつつある。一見、場違いとも言えるCEATECにメガバンク各社が出展するのも、新たなビジネス機会や変化のきっかけを模索する努力の表れなのだろう。

中山氏は「銀行だからというサービスを考えるのではなく、IT化に応じたプラットフォームやインフラを目指す」という。近い将来、「これが銀行?」と驚くような商品やサービスを目にすることができるかもしれない。

藤原 宏成 東洋経済 記者

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ふじわら ひろなる / Hironaru Fujiwara

1994年生まれ、静岡県浜松市出身。2017年、早稲田大学商学部卒、東洋経済新報社入社。学生時代は、ゼミで金融、サークルで広告を研究。銀行など金融業界を担当。

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