新人王!藤井聡太の「元担任」が今明かす素顔 天才棋士は先生に「宿題をやる意味」を問うた
名古屋大学教育学部附属中・高等学校は、名古屋大学教育学部の附属学校であり、国立学校では唯一の併設型中高一貫校です。中学校は1学年2クラスの80名、高等学校は1学年3クラスの120名です。
生徒は県内以外に岐阜県、三重県から通っています。中学生にとって、クラスの生徒の出身地区は違います。さまざまな分野で特技を持つ生徒が互いを尊重し、認め合う雰囲気を感じます。
私はこの学校で教師として働いています。そして、昨年4月、中学3年のクラスを受け持つことになりました。そのクラスには藤井聡太君がいました。
クラスメートから祝福を受けてはにかむ藤井君
藤井君はこだわりが強く、自分が納得できないときには、納得いくまでこだわり抜くタイプでした。私が担任になったばかりの昨年4月のことです。藤井君から「なぜ宿題をやる必要があるのか」と聞かれました。藤井君と私は、宿題の意義について30分間話し合いました。
「なぜ、やらないといけないのでしょうか」「宿題も授業のうちに入るのではないでしょうか」と聞く藤井君に、私は「授業の中では理解が十分ではないところもあるので、十分になるように宿題を出している」と説明しました。藤井君は「理解を助ける上で必要」と、宿題の意義を理解してくれました。
藤井君は授業中、最初から最後まで集中していました。謙虚で礼儀正しく、普段の落ち着いた雰囲気が対局にも表れていると感じています。また、鉄道好きで、学校での休み時間は、友人と電車の話題が中心でした。
藤井君の担任をした当初、将棋のことを話したほうがいいのか迷いがありました。しかし、藤井君はそれを望んでいないことを感じました。「校内では対局を忘れ、学校生活を充実してほしい」と思い、クラス全体の一人として接しました。
クラスの生徒も藤井君の気持ちを察し、将棋の話題を控えました。ただ、藤井君が対局で学校を欠席しているとき、クラスの話題の一つは将棋でした。
対局前日に声を掛けると、「ありがとうございます。頑張ります」と笑顔で返してくれました。勝った日の翌日に、クラスメートから「おめでとう!」と言われると、はにかんでいました。至って普通の中学生の反応でした。
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