新人王!藤井聡太の「元担任」が今明かす素顔 天才棋士は先生に「宿題をやる意味」を問うた

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藤井君が29連勝して注目されていた中、登校した藤井君が教室に入ると、クラスの生徒全員から「おめでとう!」と拍手が送られました。藤井君は「ありがとう」と照れたような顔でお礼を言っていたのが印象的でした。そして、連勝が途切れたとき、藤井君が教室に入るとクラス全員の生徒から「お疲れさま!」と声が掛けられました。

昨年8月、藤井君がプロ棋士になってからの初めての夏休みとなりました。夏休みは将棋に集中できる期間であったと思います。しかし、夏休みが明け、友人と過ごす中でリフレッシュする大切さを感じたのではないかと思いました。9月3日の第67回NHK杯トーナメント、森内俊之九段との対局における藤井君の表情を見て、そう思いました。

藤井君は中学3年生の総合的な学習の時間である「総合人間科」にとても興味を持っていました。昨年11月には研究旅行で広島を訪問し、「国際理解と平和」をテーマに平和学習を行いました。藤井君も事前学習を行い、研究旅行でフィールドワークを実施しました。対局時と同様に、前のめりになって授業を受けていたのが印象的でした。

研究旅行では、行く先々で藤井君が声を掛けられていました。その中で、学習の場であることに気を使っていただいた方も見えました。広島市から忠海駅に向かうバスの中では、途中、JR呉線と並走し、鉄道の話題で藤井君のグループが盛り上がっていました。

切磋琢磨して目標に向かってほしい

今年3月の中学修了式、中学生最後の日になりました。解散後、クラスの生徒が藤井君との写真撮影を頼んでいました。日頃は、藤井君をクラスメートの一人として接してきたクラスの生徒が、その瞬間だけは藤井君を特別な存在として接していました。

昨年度、学年の生徒の中には、短期留学して視野を広げた生徒もいました。また、全国の研究発表会で上位賞を受賞した生徒もいました。そして、藤井君はプロ棋士としてタイトルを目指しています。一人ひとりがそれぞれの夢を持ち、夢に向かって努力しています。

今年4月から高校生になった藤井君。これまでの仲間や新たな仲間と、切磋琢磨して目標に向かってほしいです。

大羽 徹 名古屋大学教育学部附属中・高校教諭

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おおば とおる / Toru Ohba

大学院理学研究科前期課程修了後、愛知県公立高等学校教諭(数学)。現在、名古屋大学教育学部附属中・高等学校教諭(数学)。2017年度に中学3年生を担任。

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