むしろ過酷、親が苦悩する「小学生の放課後」 保活や乳幼児期が大変のピークという大誤解

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さらに長期休みは、親たちの悩みの種だ。学童で一日中過ごすことになり、子どもの「なぜ自分だけが」という不満は大きくなりがちだ。夏休みなど長期休みは、保育園と比べて開所時間が遅い学童も多い。出勤する親が先に家を出て、子どもがひとりで鍵を閉めて学童に向かわなけらばならないというシチュエーションも発生する。

小学校に上がる頃になると子どもの意思と主張はますます強くなり、人間関係から“学童嫌い”を発症することも。スリールのアンケートからは次のような声が聞かれている。

・学童の環境が子どもにとって合わない、気の合わないお友達がいるといった場合に、学童に子どもが行かなくなってしまい、放課後の長い時間の過ごし方に非常に悩まされた。
・学童では大きなお兄ちゃんたちとかかわり、子どもにチックの症状が出ました。結局夏休み、おばあちゃんの家で過ごすようになり、学童をやめました。
・小1の夏休み前、夏休みは毎日学童だと娘に告げると、嫌だと号泣されました。人数が多く、自由度の少ない学童に行きたくなかったようです。

 

公立の学童の「内容がつまらない」という場合もある。全国学童保育連絡協議会は大規模な学童保育について、指導員の目が行き届きにくくなり、子どもたちも騒々しく落ち着けないと指摘している。「1日中、室内の狭い空間でそれぞれ自由に遊んでいるだけで、退屈だと子どもが嫌がる」という声は少なくない。規模も全体の3割近くが46人以上となっており、全国学童保育連絡協議会は大規模な学童保育は指導員の目が行き届きにくくなり、子どもたちも騒々しく落ち着けないと指摘している。

さまざまな遊びができ、手厚かった保育園時代とのギャップに驚く親も多い。多くの指導員は非正規で、勤続年数が上がっても賃金が上がらない、退職金がないなど条件が悪く、2014年度以降政府も処遇改善や人件費見直しのための予算を確保している。

子どもが長時間退屈しないようなアクティビティを多数用意する民間の学童もあるが、人気の学童の予約は3歳からと言われるほど激戦であることも。夏休みなどはサマーキャンプなどに毎週のように行かせるという選択肢もあるが、費用もばかにならない。しかも、それだけしても、子どもが「学童はイヤ!」と言いかねないのだから、親としてはハラハラし通しだ。

生活習慣の変化やいじめの問題も

ここまで放課後の学校外での居場所問題について見てきたが、次にたちはだかるのが、「学校生活のフォローが大変問題」。

小学校になると、持ち物や宿題などを子どもたち自身が管理しなければならない。加えて勉強が始まるので、親が宿題を見てあげなければならない。至れり尽くせりだった保育園と違い、それらのフォロー負担は親にのしかかってくる。

・帰宅してから夕飯の用意をして食べさせ、宿題を見て、お風呂に入れて、次の日の準備、の一連の流れで子どもを寝かす時間が遅くなる。
・一方で、子どもを早く寝かさないと(睡眠不足で)翌日の授業に支障が出る。初めての授業参観はまさかの息子が爆睡状態。生活リズムを整える重要性を痛感。
・小学校2年生のときに不登校になり、両立が大変難しくなりました。幼児期とは違い、意思も体も強くなりますから、泣いても抱っこして学校に連れて行くわけにはいきませんでした。勉強などの遅れが原因であったようですが、毎日勉強を見てあげる環境も必要です。
・毎日毎日宿題があり、下に5歳と2歳の弟妹がいる中で、やるのは大変。音読さえまともに聞いてやれませんでした。
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