「ザクとうふ」大ヒットの方程式

ガンダムファン社長が語る次世代を創る企業(上)

往年の名作アニメ『機動戦士ガンダム』に登場するメカをかたどった「ザクとうふ」(写真右下)が大ヒットした。仕掛けたのは、群馬県前橋市に本拠を置く「相模屋食料」。大のガンダムファンという鳥越淳司社長(40歳)はこの仕事が面白くて仕方ないらしく、制作時、容器メーカーに「形状が複雑すぎ生産できない」と断られても、自ら容器製造を学び、方法を提案。商品発表会では、人気声優が作中の名台詞をもじり「見せてもらおうか、相模屋の“ザクとうふ”の性能とやらを!」といいながら登場するなど、世間を大いににぎわせた。
だが、これは相模屋食料の一面を捉えたものにすぎない。同社は2007年に鳥越氏が社長に就任して以来、主力商品の「木綿」「絹」で一気に売り上げを伸ばし、地方の一豆腐メーカーから、一躍、日本のトップメーカーへと躍り出ているのだ。
取材・構成:夏目幸明 (ジャーナリスト)

2012年3月に発売された「Gとうふシリーズ」の第1弾「ザクとうふ」

絞り込み+大量生産で一点突破

夏目:2007年に約30億円だった売り上げが、昨年は約142億円。リーマン・ショックなどのあと経済状況が厳しかった時期に、4倍以上に伸びています。その理由は?

鳥越:05年に、日本最大規模のお豆腐工場「第三工場」を稼働させたことがきっかけです。大豆を水に浸す「浸漬」から、できあがったお豆腐の包装まで一貫した製造ラインを設置しました。11台の産業用ロボットを導入し、ほぼ無人化した環境で1時間に8000~1万丁、他メーカーの4~5倍の速さでお豆腐を生産します。

まだお豆腐の生産は手作業が多く残っており、第三工場の稼働前は、弊社でも手作業が速い人が会社の「ヒーロー」でした。そこに、産業用ロボットが動くラインを投入したのです。小売店のバイヤーさんを第三工場にご案内すると、その場で弊社との取り組みを決めていただけることもあります。それほど、驚くべきラインなのです。

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