あなたが知らない中国人のニュース閲覧事情 ユーザー1.5億超のアプリの裏側を探る
周:ですので、Toutiaoでのコンテンツ制作への支援は手厚く、ミニ動画だけで年に200億円の補助をしています。動画以外にも40億円。資金面だけでなく、北京や上海などのメイン都市でのスペース提供やビッグデータの無料提供もしています。
――「頭条号」は誰でもなれるんですか?
周:「全員がコンテンツ制作者、全員が情報伝達者」というスローガンがあるくらいです。身分証明書の登録さえすれば誰でもなれますよ。
――こういったコンテンツ制作側への工夫が成長の要因なんですね
周:データの蓄積も要因の一つと言えそうです。Toutiaoは、写真アプリ、ネタアプリとステップを踏んでユーザーの「いい反響」のデータを集めてからリリースしています。あとは「今日頭条(Toutiao)」というタイトルがとてもいいんですね。
――そうなんですか?
周:「今日頭条」という名前は日本語にすると「今日のヘッドライン(トピックス)」で、とても分かりやすく一般名詞をサービス名にしているようなものです。そして中国人にとってとてもオフィシャル感がある響き。これはとてもうまいです。
パーソナライズの謎とは
――Toutiaoのトップ画面の構成は
秦:固定枠が1枠あり、ほかはすべてパーソナライズされたコンテンツです。固定枠は基本的には政府の情報ですね。最近でしたら、中国共産党大会を報じたものがずっと表示されていました。伝統メディアの記事が多い印象です。
――パーソナライズされる記事はどんなものが多いですか
秦:私は芸能人のゴシップネタをよく読むので、それが上に来ることが多いです。「この芸能人の17番目の彼氏」とかね(笑)。思わず読んでしまいたいものばかりです。フォロー機能はありますが、フォローしなくてもアルゴリズムでユーザーは自分の好きそうな記事に出会えるので、閲覧記事はすごく多いです。作り手がある程度読まれるように工夫しているようです。