あなたが知らない中国人のニュース閲覧事情 ユーザー1.5億超のアプリの裏側を探る
――三級都市とは?
周:中国では都市の発展度合いを等級で示しているのですが、三級都市は人口も何百万人くらいの小さな地方都市で、ある程度経済発展しています。日本人にはあまり知られてない場所ですね。一級、二級と比べあまり忙しくなく時間のある人が使っています。
2010年からTwitterのような機能を持つ「微博(Weibo)」がリアルタイムで情報収集するツールとして浸透し、2012年からはLINEのような機能を持つ「微信(WeChat)」でフォローしたアカウントからコンテンツを受け取ることもできるようになりました。WeChatはいま中国で一番使われているアプリです。そして、2014年にToutiaoが普及し始めます。文字数制限やタイムラインで流れてしまうこともなく、アルゴリズムで自分に適した情報をどんどん受けとることができる。伝統メディアやブロガー、動画とコンテンツを網羅的に受け取れるアプリとして人気です。
膨大なユーザーの興味・関心に対応できるよう情報発信
――どんな媒体が「Toutiao」に配信しているのですか
周:Toutiaoは発信を工夫しています。媒体としては9000社。また「頭条号」といわれる認証アカウントがポイントで、これはオリジナルコンテンツの源泉です。膨大なユーザーの興味・関心に対応できるよう情報発信するため、2015年には4万5000個だったアカウントが、現在39万個まで増えています。
周:中国では、ニュースの発信側は大きく分けて4つ。新聞やテレビのような伝統メディアと自治体などの政府機関、ポータルサイト、あとはブロガーなどのKOL(Key opinion leader)です。KOLはいわゆるユーザー自身が作るコンテンツ(自媒体)でしたが、ここに編プロなどのコンテンツ制作のプロが入り「バズる」ものを作るよう組織化、広告でもうけるのがトレンドになってます。こういう会社が今すごく増えています。
さらにどのニュースアプリでも増えているのが1~3分の「ミニ動画」。プレイ回数はToutiaoでは2015年から1年で605%増。Toutiaoユーザーの平均利用時間が「76分」と長いのもこのミニ動画が支えています。