「視聴者提供」のニュース映像が激増した意味

増える災害、事件、事故のセーフティネットに

実際これまで災害、事件、事故の発生直後は、「現地に電話して一般人に話してもらう」というケースがほとんどでした。スマホが一般人に普及したことで、「これまでニュース番組やワイドショーでは見られなかった発生直後の映像が見られるようになった」のです。

もともとニュース番組やワイドショーのスタッフたちは、「自分たちで映像を撮影するべき」という思いを持っているものですが、このところ一般人の映像を積極的に探すようになりました。どちらかと言えば、「怠慢」や「退化」ではなく、「勤勉」であり「進化」。ニュース番組やワイドショーは現在も緊急時の重要ツールであるだけに、有益性アップを優先させているのです。

確かに、取材スタッフの人数を減らしている番組はありますが、それでも緊急性の高い映像は別物。「スタッフを総動員して視聴者に重要な情報を届けよう」という姿勢を持っているものです。あなたが賢明なビジネスパーソンなら、「怠慢」「退化」と叩くべきところではないことがわかるでしょう。

個人ジャーナリスト化がセーフティネットに

ニュース番組やワイドショーの姿勢が変わり、一般人の映像を求めている以上、「私も参加・貢献できるのか?」と考えるのが自然。「一人ひとりがSNSの個人アカウントでの発信だけでなく、メディアにも映像提供することで、より多くの人々と情報共有できる」という意識を持ちたいところです。

事実、2011年の東日本大震災でツイッターの有用性が明らかになって以降、災害が発生するたびにその様子を撮影し、ネット上にアップして情報共有する人が増えました。これは「フォロワーを増やしたい」などの自我というより、「困難な社会で共に生きていくための情報共有」という意識によるものでしょう。日ごろから心の中で「有事の際はすぐに撮影しよう」と思っているジャーナリスト感覚の人が増えているのです。

あなたが経営者にしろ、会社員にしろ、社会貢献という意義がある以上、「ビジネスパーソンがジャーナリストの一面を持っていてはいけない」ということはありません。もし本業への影響を恐れるのなら、ペンネーム(ジャーナリストネーム)を使ってもいいでしょう。

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