スタバが鎌倉から始めた「街に合う店」の正体 景観を損ねず、歴史や文化を尊重して設計
歴史や文化の色づく地域の象徴として、周囲の景観に配慮して建築された「鎌倉御成町店」の成功で、「京都二寧坂ヤサカ茶屋店」「神戸メリケンパーク店」「鹿児島仙巌園店」など各地に23店の展開が進んだ。
「当社の店づくりは『人と人をつなぐ』ことを軸に置いています。そこには地域と人、時間と人をつなぐなども含まれます。『リージョナル ランドマーク ストア』は、その地域の歴史・伝統工芸・文化・産業のすばらしさを再発見できる店を意識しています」(髙島さん)
出店計画時は「赤字決算」だった
現在、スターバックス コーヒー ジャパンの業績は好調だ。2017年度の売上高は1709億円(前年比6.4%増)、営業利益は143億円で、2位のドトールコーヒーの売上高725億円にダブルスコア以上の差をつけている。
だが、鎌倉御成町店の出店計画が始まった2002年当時は、赤字に転落していた。メディアでは「シアトル系カフェの終息」ともいわれた時期だ。そうした出店計画も遅々とする状況のなか、最後は当時のCEO・角田雄二さん(スターバックス コーヒー ジャパン創業者)の決断により、建築にゴーサインが出た。角田さんが、葉山の老舗料理店「日影茶屋」の元社長で、鎌倉の歴史や文化に知見があったのも幸いした。
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