エクセルで「理論株価」を割り出す最強の方法 経営数字を丁寧に当てはめれば答えは出る

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ここでセブンの中計を見ると「営業利益を4500億円にする」(ゴール時点はよくわからない)としている。そこで実効税率を40%と仮定して、5年間の税引後利益を2700億円として入れてみる。結果は4455円となり、証券市場の株価と同等になる。

すなわち証券市場は「セブンの業績が中計で約束したようになっていく」と予想している。

理論株価と証券市場の株価に大きな差があるイオン

次はイオンである。やはり現状のまま推移すると仮定する。

理論株価は3336円となる。この決算時点の証券市場でのイオンの株価は1700円程度であり、今度は証券市場の株価のほうが大幅に安い。ただこの1700円のほうが異常値と言える。イオンの純資産は現状で18600億円である。

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もしイオンを解散すると、これだけの現金が残り(解散価値)、これを株主が株数でシェアしているのだから、1株あたり18600÷8.7=2138円の現金が得られる。つまり今解散して金を得たほうが株主にとって“得”(M&Aで他社に買収されてしまうほうが得)ということになってしまう。

証券市場の株価は、これからどれくらい純資産を毀損(きそん=減らすことをよくこう表現する)すると考えているかをシミュレーションしてみよう。

株価1700円程度になるのは「毎期1500億円程度の赤字」を出す時である。つまり証券市場は「イオンの業績にまったく期待していない」ということである。

私は経営コンサルタントとしていろいろチャレンジしてきたが、株価を付けられる企業から見てこのシミュレーションが今の経営、マネジメントに最もフィットしていると考えている。

内山 力 MCシステム研究所代表取締役

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うちやま つとむ / Tsutomu Uchiyama

1955年、東京都生まれ。1979年、東京工業大学理学部情報科学科でトポロジー(位相数学)を専攻。卒業後、日本ビジネスコンサルタント(現・日立システムズ)入社。その後、退職してビジネスコンサルタントとして独立。現在は株式会社MCシステム研究所代表取締役。中小企業診断士、システム監査技術者、特種情報処理技術者。

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