日本では初代/2代目はトヨタブランド(ハリアー)から発売されたが、2009年に登場の3代目から「レクサスRX」として展開。現行モデルは2015年に登場した4代目となる。また、2014年には弟分となるNXが登場。この2台がレクサス販売台数を牽引しているが、販売現場からはより小さなモデルのリクエストが寄せられていたそうだ。
そこで登場するのがUXである。UXが属するCセグメントはメルセデスベンツ/BMW/アウディのジャーマン3はもちろん、ジャガー/ボルボ/キャデラックなど、世界のプレミアムブランドが勢ぞろい。この激戦区に後発で導入するわけだが、“元祖”の意地にかけて負けるわけにはいかない。チーフエンジニアの加古慈(かこ・ちか)さんは、「サイズはレクサスクロスオーバーSUVの末っ子ですが、中身は兄貴分を超えるように開発しました」と自信を見せる。
レクサスUXとトヨタC-HR
とはいえ、人によっては「レクサス版C-HRでしょ?」という声もチラホラ聞く。確かにUXが使用する「GA-Cプラットフォーム」はC-HRも使っているのがその理由の1つだ。
ただし、そもそもプラットフォームの共有化はどのメーカーでも当たり前の話である。トヨタ/レクサスだけでなく、フォルクスワーゲン(VW)グループやルノー日産アライアンスのモデルの中にはさまざまな兄弟関係を持つモデルが存在するが、実際に乗ると個々のブランドの個性がシッカリ感じられる。確かにこれまでレクサスは「高級なトヨタ車」から脱却できなかったのも事実だが、2012年6月に社内カンパニー「レクサスインターナショナル」となって以降は、クルマづくりにおいても、レクサス独自の“味”が色濃くなっている状況である。
余談だが、現行プリウスから始まったTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)とは単にプラットフォームやパワートレーンの刷新を意味するのではなく、「クルマづくり」や「仕事の進め方」を大きく改革させるためのキーワード。単に部品を共用することによる開発効率の向上ではなく、“いい物”を安く効率的に作るための手段と考えたほうがいい。中長期的に使えるように高いレベルのモジュールを用いたことで、逆に各モデルの個性が出しやすくなったそうだ。
そこで今回のお題は「レクサスUXとトヨタC-HRはいったい何が違うのか?」である。
まず開発コンセプトだが、UXは「アーバンクロスオーバー」、C-HRは「コンパクトハイライダー」で、どちらもクロスオーバーSUVに属するがオンロード寄りの性格であること、前席優先のパッケージングは似ているが、見た目はまったく異なる。
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