金の底値買いは、ソロスに学べ! 【新連載】金価格はもう一段下落するのか?
直近の金投資は成功裏には終わらなかったのだろうが、ソロス氏のこれまでの成功例が、なお、ファンドビジネスの世界では「栄光の実例」として語り継がれていることは事実だ。
生産コストを下回るようなら「買い」
金相場が下落した場合、低品位の金鉱床はコスト面から生産中止を余儀なくされる。すると、閉山→生産縮小→供給削減というプロセスを招く。一方で相場の下落は新たな需要を鼓舞し、買い手が市場にあふれる。すると、前述のように需要と供給のバランスに歪みが生じ、金相場は上昇の波に乗ることとなる。ここ4年ほど前からは新興国を中心とする公的金保有(国が外貨準備の一環として金を購入)が、米ドルの信認低下に伴って増大しており、下落局面では活発な動きを見せている。
今後の金相場はどうなるだろうか。米国の金融緩和縮小の開始時期、来年2月の債務上限タイムリミット、欧州の債務問題など、不透明な問題を抱えており、世界の金融市場は一荒れも、二荒れもありそうだ。その時点では、決まって金相場はドル建て、円建て両面で少なからず影響を受けることとなる。だが、前出のとおり、安値について筆者は生産コストが重要な指標になると信じている。
相場ゆえに、時の勢い(旺盛な売り圧力)により瞬間的には生産コストを割り込むことがあっても、1トロイオンス1000ドル割れまで予想する米国大手証券会社の予測ほど、悲観的ではない。行きすぎた金相場の下げ局面では、年老いたとは言え、必ずソロス氏の触手が動くはずだ。彼の運用術にあこがれ、そして学んだファンド・マネジャーたちも多く金融市場に存在している。その点からも当分の間、金相場は1トロイオンス1200~1250ドルが底値となろう。
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