金の底値買いは、ソロスに学べ! 【新連載】金価格はもう一段下落するのか?

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結局、来年2月までの国債発行が暫定法案で可決され、一時的にデフォルトは回避された。だが2週間あまり続いた米政府機関の一部閉鎖で、公表指標を売買の判断とする商品市場のトレーダーは材料難に直面した。これは積極的なポジションメイクの大きな妨げとなり、商品市場の代表格である金相場も下落した。現在のところ、ドル建て金相場は1300ドルを挟んで上下50ドル幅で推移。国内金相場も4000円を下限にしているものの、上値も重く、狭い値幅での動きを続けている。

 金価格の最も重要な指標とは?

ここで、あらためて金について考えてみよう。金の価値とは、その稀少性(世界中の金すべてをかき集めても、競泳用の50メートル用プール約3個半分)と、人類の歴史において深く刻み込まれた「DNA」(金へのあこがれ)に起因している。

万国共通の価値を持つことから、米ドルに次ぐ第2の基軸通貨であると信認され、先進各国はおよそ40年前まで事実上の金本位制度を採用していたほどだ。

金は通貨の顔を持つ一方、電化製品の接合用、歯科用、またジュエリー(宝飾品)として使用されており、原材料=商品としての価値も重要なのだ。では、商品の顔としての金価格はどう決まるのか。一般的に商品価格は、需要と供給のバランスによって決定される。欲しい、買いたいという需要が多ければ価格は上がり、売りたいという意欲が強いと下がるわけだ。

ここで、商品として金を作り、販売する生産・販売コストが市場価格決定に大きく関係する。たとえば、今も南アフリカなどの金鉱山では地下3000~4000メートルから金鉱石を採掘している、その後、粉砕、精錬、溶解という工程を経て数カ月かけて皆さんが目にする金のバー(延べ棒)になる。

そこで生産コストが重要になってくるわけだが、実は生産コストは、過去10年間で原油などのエネルギー代価や労働賃金上昇を受け、約4倍に高騰している。さらに最近では、従来の総コストに操業設備の減価償却や資本維持コストなどを加えた「オール・イン・コスト」が試算されている。

英国の貴金属市場の調査会社であるトムソン・ロイター・ゴールド・フィールズ・ミネラル・サービシズ(GFMS)社によれば、自由圏諸国における平均は、昨年の1211ドルから、今年上半期では1250ドルへと上昇した。

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