金の底値買いは、ソロスに学べ! 【新連載】金価格はもう一段下落するのか?
「先進国の通貨価値は下落する。資産防衛のためには、金を買え」。リーマンショック後、大きく買われた金。だが、昨年からは下落基調に転じ、今のところ大きく反転する気配はない。今後の金価格はどうなるのか。円安ドル高時代の中で、金をどう考えればいいのか。今回から、金取引40年のプロで貴金属アナリストでもある、第一商品・土肥章社長のコラムをお届けする。
米国の金融政策と政治に振り回される「金」
米国発の「二大騒乱」のうねりの中で、今年の金相場は大きな売り圧力に見舞われた。ひとつはバーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長による「量的緩和縮小」の議会発言だ。「早ければ9月にも段階的縮小(Tapering)開始の可能性」をめぐり、米国株式市場、債券市場は右往左往した。世界中の金融市場、とりわけこれまで大量の投機資金が流入していた新興国の株式市場は大きな売り圧力に見舞われ、結局、金(Gold)市場も多大な影響を受けた。金価格は、年初に比べ1トロイオンス(約31g)当たり500ドルも暴落した。
2つ目は、当初10月17日がタイムリミットだった約16兆7000億ドルにも上る米国の債務上限問題だ。市場予測とは裏腹に、共和党保守派が強硬な態度を誇示したため、解決に予想以上の時間を要し、投機筋がドル資産の投げ売りに走った。9月半ばに一時、史上最高値を記録したNY株式相場は、3週間で約1000ドルも下落した。
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