居酒屋の「お通し」は訪日外国人にも不思議だ 新宿、渋谷で外国人が使える「食事券」の試み

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12日の会見では吉住健一新宿区長、長谷部健渋谷区長も出席し、新宿区と渋谷区がタッグを組み、外国人観光客の消費拡大を目指すことを表明した。

左から一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会代表理事 新津研一氏、一般財団法人渋谷区観光協会理事長 金山淳吾氏、渋谷区長 長谷部健氏、新宿区長 吉住健一氏、一般社団法人新宿観光振興協会専務理事 古川哲也氏(写真:一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会提供)

バウチャーの販売場所は新宿観光案内所をはじめ、東京・大阪の「Tickets Today」13店舗で、2019年1月から販売する。購入できるのは外国人だけだという。また、試験的に2カ月間だけ行うもので、今後は利用状況をみて考えるという。

繁華街では、ぼったくりなどの被害が時たま報告される。酒が入るとおおらかになったり、判断能力が鈍ることがあり、それに付け入って荒稼ぎする業者も一部ではあろうが存在する。またプチぼったくりという言葉も登場してきた。

「飲み放題1000円。300円からある料理を最低2品注文してほしい」と客引きに言われて入店したところ、お通し400円、それにテーブルチャージ、週末料金が加算され、さらにサービス料を取られたというようなトラブルだ。金額は小さくても納得いかない支出、だまされたという事実は嫌な思い出として残る。「おもてなし」の国にはふさわしくない。

「おもてなし」の国にふさわしいサービスを

こうした試みだけで問題が解決するかは疑問だが、2019年にはラグビーワールドカップの日本での開催、2020年には東京オリンピック・パラリンピックを控え、スポーツイベントを通じて数多くの外国人が日本にやって来ることが予想される。

飲食店や行政など関係者が知恵を絞るきっかけにして、日本人、外国人を問わず安心してナイトタイムが楽しめる繁華街に成長してほしいと願っている。

細川 幸一 日本女子大学名誉教授

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ほそかわ こういち / Koichi Hosokawa

専門は消費者政策、企業の社会的責任(CSR)。一橋大学博士(法学)。内閣府消費者委員会委員、埼玉県消費生活審議会会長代行、東京都消費生活対策審議会委員等を歴任。著書に『新版 大学生が知っておきたい 消費生活と法律』、『第2版 大学生が知っておきたい生活のなかの法律』(いずれも慶應義塾大学出版会)等がある。2021年に消費者保護活動の功績により内閣総理大臣表彰。歌舞伎を中心に観劇歴40年。自ら長唄三味線、沖縄三線をたしなむ。

 

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