居酒屋の「お通し」は訪日外国人にも不思議だ 新宿、渋谷で外国人が使える「食事券」の試み
客単価3000円のお店で300円のお通しを出せば、その10%にあたり、薄利のお店側にとっては好都合なのだろう。しかし、食の多様化やアレルギーなどもあり、嫌いなものや食べられないものが提供され、代金を取られることへ不満を持つ消費者も増えているのは事実だ。
まして、欧米人は契約概念が日本人以上にしみついており、注文していないものを強制されることへの反感は根強いようで、東京の繁華街である新宿や渋谷でもクレームになることが多いという。
しかも店側が英語などでそのシステムを説明できないことも多く、外国人にはぼったくりのひとつに見られることもあり、おもてなしの心に反するものに映る。
お通しとセットになったメニューを定額で楽しめる
そうした経緯もあり、東京の渋谷、新宿両区の観光団体が新たな動きを見せた。
9月12日、訪日外国人向けに夜の飲食店やバーで使える定額式のバウチャーチケット「TOKYOナイトタイムパスポート」を発行すると発表したのだ。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックなどを控え、「訪日外国人の増加が予想されるなか、魅力的な夜の体験を提供すること」が主目的だが、お通しのクレームなども意識して企画されたという。
渋谷区観光協会と新宿観光振興協会などが、公益財団法人「東京観光財団」(新宿区)の地域資源発掘型実証プログラム事業として実施するものだ。
3000円と2000円の半券が付いた計5000円分のチケット5000枚を販売する。訪日外国人は半券を切り取ることで、お通し代などを含む食事とお酒類がセットになったメニューを楽しめるというものだ。
会計のことを気にせず安心して夜の飲食タイムを楽しんでもらおうという趣旨で、お店側が2000円、3000円、あるいは5000円のセットメニューを提示する。
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