「ICOCAポイント」導入に隠されたJR西の狙い 格安の「昼特きっぷ」販売終了したかった?

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大手私鉄でのICOCA販売は、京阪は2011年から、近鉄は2012年から、南海や他の在阪私鉄も2017年から始めた。遅れていた阪急や阪神も2019年春から導入すると発表している。

一方、JR西日本は今年10月から、京阪神地区でPiTaPaを使った後払い方式での利用をスタートさせる。PiTaPa所有者が先払い方式のJR西日本を利用する場合、従来は事前に一定の金額をチャージしておく必要があったが、うっかり忘れる人も多く駅窓口での対応に苦慮していたという。そこで、PiTaPaのみ後払い方式での利用も認めることになった。

同時に「PiTaPa割引サービス」も始める。PiTaPaでJR西日本を利用した際に、回数と時間帯の実績にあわせて最大50%割り引かれる。サービス内容はICOCAポイントと同じ考え方だが、PiTaPaだとポイント制ではなく運賃割引の扱いになる。JR西日本は独自のJ-WESTカードがあるためPiTaPaの販売予定はないようだが、他の私鉄各社と提携して「ICカードの使い勝手の良さを体感してもらって、使用率を上げていきたい」という。

昼特きっぷ消滅は痛いが・・・

ICOCAポイントに参加するには、乗車の前日までに利用登録が必要となる。新型の自動券売機(紺色かピンク色)の画面で、登録に同意すると完了だ。クレジットカードと紐付けされたSMART ICOCAは登録不要だ。

ICOCAポイントサービスを利用したいなら、JR西日本の各駅にあるピンクか紺色の新型券売機で事前登録が必要だ。台数が少ないので探すのに苦労するかもしれない(筆者撮影)

ただ、この新型券売機は200駅強にしか置いておらず、利用登録できない駅もある。10月1日から参加したいなら、前日までに探しておこう。WEBからも申し込みができるが、利用登録完了まで日にちはかかるようだ。

一方、昼特きっぷの販売は9月30日で終了する。有効期限は3カ月なので、買いためておけば年内12月までは使える。金券ショップの担当者に聞くと、大量に仕入れてはいるものの在庫が切れ次第、販売は終了するとのこと。販売は「12月初旬頃までを予定」と掲示している店も出始めた。

利用者視点で言うと、昼特きっぷが使えなくなるのは正直痛いところだ。だが、JR西日本の担当者は「サービス開始後の利用状況をみながら、何か付帯的なサービスを提供できないか引き続き勉強していきたい」と語っていた。今後、どのようなポイントキャンペーンを実施するのか。動向を見守りたい。

森口 誠之 鉄道ライター

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1972年奈良県生まれ。大阪市立大学大学院経営学研究科前期博士課程修了。主な著書に『鉃道未成線を歩く(国鉄編)』『同(私鉄編)』など。

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