20代の会社員が「コツコツ投資」で十分な理由 短期で儲けようとすると結局は失敗しやすい

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しかし、コツコツ投資さえしていれば、どんな商品に投資してもいいわけではありません。最後にどういった商品を選べばよいか簡単に触れておきましょう。

金融庁が2017年6月14日に発表した「つみたてNISAについて」の資料の中で、「国民が安定的な資産形成を行うためには、長期の積立・分散投資が有効」と述べ、さらに「投資対象をグローバルに分散させることで、世界経済の成長の果実を享受することが可能」と指摘しています。つまり、長期の積立投資は、世界の株式に幅広く投資することで、成長による恩恵が受けられるということです。

実際に、「つみたてNISA」では、1つの商品で世界各国の株式に投資できるものが対象になっています。たとえば、約70カ国の銘柄で構成されるMSCIという指標に連動する商品だと、「全世界株式インデックス・ファンド」や「eMAXIS 全世界株式インデックス」などがあります。また、48カ国の約7400銘柄で構成されるFTSEという指標に連動する商品では、「SBI・全世界株式インデックス・ファンド」や「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」などが該当します。このように、1つの投資信託で世界の株式に幅広く投資できる商品のみが対象になっているのです。

積立投資は5年より20年のほうが、資産が増える

同資料の中では、1985年以降の各年ごとに、国内外の株式・債券に分散投資した場合の収益率の分布が示されています。保有期間5年、投資元本100万円の場合、最終的には72万〜173万円の間で増減していることがわかります。それが、保有期間が20年になると、投資元本100万円が185万〜321万円と、すべてのケースにおいて増加しています。投資を開始した時期は異なれど、20年という長期間にわたって保有することで、元本割れを防ぎ、資金が増えるという結果になっているのです。

金融庁が述べているように、「グローバルに分散可能な投資信託を、積立投資で長期間保有する」、つまり「国際分散×コツコツ投資」が推奨されているのです。

現在はつみたてNISAのように、ビギナーでも投資しやすい環境が整備されつつあります。これらの利点を生かしつつ、少額からでも始められるコツコツ投資を実践することで、限りある時間を生かしながら、資産を増やしていくことが易しくなりました。20代に最適なコツコツ投資を、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。

吉田 祐基 ライター兼編集者

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よしだ ゆうき / Yuki Yoshida

各種金融系情報誌の編集・執筆業務を行う株式会社ペロンパワークス所属。大手不動産情報サイト編集記者を経て入社。株・投資信託の編集・執筆を担当。ファイナンシャルプランナーの資格も。

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