体育が「トラウマ」な人につきまとう運動嫌い 授業の思い出が運動への感情を左右していた
子どもの頃の体育の授業をちょっと思い出してみてほしい。
あなたは好ましい思い出ににんまりしただろうか。それとも反射的に身震いしただろうか。
最新の研究によれば、体育の授業の記憶に対するこの2つのまったく異なる反応は、どちらも大いにありうるし当たり前のものでもあるらしい。
欧米の成人の約3人の2人がほとんど運動していない
この研究によれば、何年も、もしくは何十年も前の体育の授業でどんな感情を持ったかが運動に対する現在の感情を形作るとともに、体を動かすかどうかの選択に影響を与えている可能性があるという。人の運動に対するモチベーションを理解するとともに、子どもたちにどのようにスポーツを始めさせるべきかについて考えるきっかけになりそうだ。
統計によれば、欧米の成人の約3人に2人はほとんど運動をしていないという。その理由はいろいろだが、運動に対する心的態度が決定的な役割を果たしているという点で大半の行動科学の専門家の意見は一致する。つまり運動をすれば楽しいだろうと思う人はせっせと体を動かすし、思っていない人はやらないということだ。
だが、こうした思い込みがどのようにできるのかについてはこれまではっきりしていなかった。
そこでアイオワ州立大学の研究チームは、運動に対する考え方が子ども時代の体育の授業に根ざしている原因があるのではないかと考えた。多くの人にとって体育の授業は、正式な運動を始める入り口だ。
答えを探すために研究チームは、長めのアンケートを作成した。体育の授業の記憶をじっくりとたどってその思い出や、現在の運動に対する考えを数値で答えさせるというものだ。