体育が「トラウマ」な人につきまとう運動嫌い 授業の思い出が運動への感情を左右していた
またアンケートでは、現在の運動習慣についても尋ねた。また特に週末について、体を動かしている時間と座っている時間を答えさせた。さらに、子ども時代の体育の授業のいちばんいい思い出と悪い思い出を自分の言葉で答えるとともに、その詳細についても書くよう求めた。
研究チームはこのアンケートを学術研究専門のウェブサイトで公開。関心のある人に回答するよう呼びかけた。
体育の授業の不快な記憶が…
その結果、18〜40歳の男女1000人以上から回答が集まった。回答者にとっては気持ちのはけ口になったらしい。多くの回答者から深く詳細な回答が得られた。
人々の体育の授業の記憶は驚くほど「鮮明で感情のこもったもの」だったと研究チームは論文に書いている。そして記憶は長く尾を引き、長い年月が経った現在の運動習慣に影響を及ぼしているという。論文は米スポーツ医学会の学術誌「トランスレーショナル・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・カレッジ・オブ・スポーツ・メディスン」で8月に発表された。
最もはっきりしていたのは、体育の授業の不快な記憶と、現在の運動したくないという気持ちの関係だ。子ども時代に体育の授業を楽しめなかった人々の多くは、今後も運動好きになるとは思えないと語るとともに、当面は運動をする予定がないと答えていた。一方で体育の授業に喜びを見いだしていた人々は、運動は楽しいものだと考え、週末もよく体を動かす傾向があった。
人々が体育を楽しいと思った(もしくは思わなかった)理由もまた、わかりやすいものだった。チーム分けでなかなか選ばれずに嫌な思いをしたとか、うまくできずに恥ずかしい思いをしたと答えた人が多くいた。
人前で着替えるのが嫌だったと答えた人もかなりいたし、いじめや侮辱(教師からのものも含む)に悩んだと語る人もいた。授業でよく行われる体力テストを受けたくなかったと語る人も多かった。