手取り15万増も!得する「パパ育休」の取り方 取得のタイミングで手取り給与に大きな差が
社会保険料の話をしても、自分の給与明細をあまり見ない方は、金額のイメージがつかめないと思います。そこで、具体例を出してご説明します。
たとえば、月給36万円の人の場合。社会保険料の基となる「ひょうげつ」が36万円だとすると健康保険料は1万7820円(2018年協会けんぽ東京支部)、厚生年金保険料は3万2940円(2018年)となり、合計した5万0760円が基本的には毎月社会保険料として給与から控除されています。
この金額が免除されるだけでも大きいですが、もっとお得にしたい場合は、ボーナスが支給される月に育児休業を取得すれば、ボーナスに掛かる社会保険料も併せて免除になるので、かなりインパクトが大きくなります。
育休取得のタイミングを計ることができるなら
たとえば、ボーナスが6月10日に70万円支給され、育児休業を6月26日から30日まで5日間取得した場合。賞与分の保険料が、健康保険料が3万4650円(2018年協会けんぽ東京支部)、厚生年金保険料が6万4050円(2018年)。給与のひょうげつが上記と同じく36万円だと、通常の給与分の保険料は上記計算のとおりになるので、なんと合計して14万9460円も社会保険料が免除されるのです。冒頭のYさんはいろいろ調べてボーナス月にタイミングよく育児休業を取得して、15万円ほど手取りが増えて喜んでいたわけです。
育児休業期間に対して、雇用保険から支給される育児休業給付金。給与額に応じて調整され、給与が全額支払われているような場合には給付金は支給されません。大企業では特に男性の育児休業取得促進のため、最初の5日間は有給として全額支給されている会社もあります。しかし、育児休業期間中に給与が全額支給されていた場合でも、一定の要件を満たせば給付金がもらえる場合があります。
実は、育児休業給付金は育児休業期間中に給与支払い日があった場合に限り、給与が支払われたものとして考えるため、育児休業期間に給与支払い日がなければ給与の支払いがなかったものとして取り扱われ、育児休業給付金がもらえるのです。
したがって、たとえば、上記ケースで6月26日から6月30日まで育児休業を取得し、その期間有給だった場合に、その会社の給与支払い日が6月25日だったケースは、あくまでも育児休業期間中に給与支払い日がないため、給与の支払いがなかったものとして、育児休業給付金が全額もらえるわけです。つまり、有給で給与が全額支払われているのに、雇用保険から育児休業給付金がさらにダブルでもらえてしまうということです。上記のケースだと社会保険料も免除になるので、ボーナス月だったとすると、かなりの恩恵を受けることになります。
冒頭のMさんも、社会保険の仕組みを知っていたら、育児休業の取得時期をもう少し考えたかもしれません。ただ、育児休業は、そもそも、子の養育のためにお休みする期間であるので、休んだ日は当然しっかり育児に参加していただくのと、職場のみんなの助け合いによって休めることもお忘れなく。
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